東京メトロ丸ノ内線 なぜ「コ」の字型? 見方を変えると放射状 都心を目指した2路線

「直通」に似た「スルールート」の考え方 地下鉄も例外ではなかった

 東京市内外交通調査会における報告書では、地下鉄網に求められる条件を次のように掲げました。

・地下鉄は郊外から中心地に集中する必要がある。
・地下鉄はできるだけ市の中心地を貫通する「スルールート」を構成する必要がある。
・地下鉄は各路線間の連絡はもちろん、国鉄、私鉄、路面電車との接続が重要である。

「スルールート」とは、郊外からやってきた列車が都心で折返し運転をするのではなく、都心を東西または南北に貫くように運行される路線という意味です。

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JR上野東京ライン。東海道線が東京駅、上野駅を経由して高崎線や宇都宮線に直通し、関東北部まで乗り入れる(画像:写真AC)。

 JRの事例になりますが、以前は上野駅や東京駅で折返し運転していた東海道線や宇都宮線、高崎線、常磐線が、上野東京ラインの開業により、各路線が直通運転を開始した事例を思い浮かべるとよいでしょう。これにより、都心で乗り換えをする必要がなくなるばかりか、車両や乗務員の運用が効率化されるメリットも生まれました。

 この「スルールート」という考え方は、2020年現在の地下鉄計画にも受け継がれています。例えば日比谷線は北千住駅(足立区)から都心方面に向かう路線と、中目黒(目黒区)から都心方面に向かう路線がつながってできています。都営浅草線は押上駅(墨田区)から都心方面に向かう路線と、品川駅(港区)から都心方面に向かう路線がつながって1本の路線になっています。つまり、各地下鉄路線は都心から郊外に延びるふたつの放射状の路線が都心でつながることで、ひとつの路線になっているのです。

【地図】見方を変えれば2路線が合体 丸ノ内線

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コメント

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2件のコメント

  1. 古典的な都市計画理論の一に、南北と東西の交通軸に対してU字型の半環状線をレイアウトすることから始める、という理論があったような?

  2. 東京の地下鉄はしばらくの間、丸の内の官庁街あたりを中心としてターナー型で建設されたから。
    古い路線はあのあたりで全部交差してる。まあそれに都営と新しい新宿主体の路線が被さってるから
    くっそ複雑なんだけど。