観光列車のみならず 「社の思い」が表れた鉄道車両選 デザインや性能 ひいては伝統に

鉄道会社にとって車両は商品のひとつです。アピールするうえで、カラーやデザインだけでなく、性能面でも特徴的なものがあります。なかには会社の思いや方針が表れたものも。普段乗る通勤形車両も例外ではありません。

シンプルイズベストのデザイン コスト削減で運賃に還元

 印象的な塗装や派手な装飾ばかりがデザインではありません。シンプル、簡素に徹底するのもまたデザインといえます。

 東急電鉄の車両は、1992(平成4)年製造の2000系まで、正面は平らな切妻構造、側面も銀色の無塗装ボディに赤いテープを張り付けただけというシンプルさが伝統でした。これは当時、東急電鉄の「車両の形状はシンプルにして製造コストを下げる」という考えに基づいています。

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シンプルな切妻形状や、省エネルギーに寄与する制御機器のいち早い採用など、「経済性で乗客に還元」したデザインの東急9000系(画像:写真AC)。

 さらに東急電鉄はステンレスボディを採用して軽量化したり、制御装置も省エネタイプのものをいち早く採用したりするなど、製造、運用コストの削減を徹底しており、コスト削減の分は安い運賃や快適な設備として乗客に還元されます。徹底的なコスト削減によるデザインも、乗客本位のデザインであることには変わりないのです。

 地域に根ざして運営する鉄道事業では、地域性や会社の方針などが鉄道車両に反映されるケースがまま見受けられます。

 現代では製造コスト削減の観点から、車両メーカーの提案する標準型車両の同輩が増えていますが、そういった車両でも、会社の個性や独自のデザインが垣間見える車両は少なくありません。

 列車に乗るとき、そういった「鉄道車両のデザイン」に注目してみると、意外な発見があるかもしれません。

【了】

【写真】創立100周年でガラッと印象を変えた車両

Writer:

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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