首都圏通勤電車スピードランキング 北部方面 埼玉を走る東武とJRはどちらが速いのか
複々線を急行が走る東武伊勢崎線 表定速度は稼げるか
40km圏ではどうでしょうか。1位は宇都宮線、2位は高崎線と逆転しています。3位は東武東上線、4位は埼京線がなくなったことで半蔵門線が繰り上がり、並びは変わっていません。半蔵門線と同じく東武伊勢崎線へ直通する日比谷線も集計してみましたが、同線は各駅停車のため、さすがに表定速度では半蔵門線に約10km/hの差をつけられています。
50km圏では再び高崎線が抜き返し1位に、宇都宮線は2位となっています。3位には東武東上線、4位と5位には東武伊勢崎線系統というのは変わりありません。
全体を見ると、東武東上線とJR線が健闘、また、東武伊勢崎線よりも東武東上線のほうが速い結果になりました。東武伊勢崎線は南越谷~北千住間で私鉄最長の複々線区間を抱え、輸送上では有利のはずです。にもかかわらず東武東上線よりも順位が下だったのは、今回の調査が山手線駅を起点としているので、不利になったと考えられます。
参考までに、朝の通勤時間帯の春日部~北千住間を例に見ると、急行は28.2kmを32分で走ります。表定速度にすると52.9km/hで、30km圏のランキングでは2位に入る速さになります。しかし現実には、北千住駅から先、カーブの多い区間を経由する点がどうしてもネックになるところです。
首都圏北部方面は、JR線が並行して走るなど、鉄道路線が多くあります。住む場所を選ぶうえで、ひとつ「表定速度」に着目してもよいかもしれません。
【了】
Writer: 河嶌太郎(ジャーナリスト)
1984年生まれ。千葉県市川市出身。『週刊朝日』『AERA』などの雑誌のほか、「Yahoo!ニュース個人」「AERA dot.」「DANRO」「ITmedia」などのウェブで執筆。アニメを用いた地域振興からゲーム、IT、鉄道など幅広い分野を扱う。国内の鉄道路線の乗り潰しが趣味だが、災害による不通路線を残したまま数年が経過中。
JRは基本的に「宇都宮線・高崎線」の順番を用いているので、それに合わせるべきです。