実戦の名機=銀幕スターとは限らず! 『トップガン』ほか現代戦闘機の映画出演事情

空では無敵のF-15「イーグル」 銀幕では…?

 1990(平成2)年、東映は日本版『トップガン』を目指して、航空自衛隊の若きパイロットを主人公とする『BEST GUY』を製作し、そこでは航空自衛隊のF-15Jが主人公の愛機として登場しています。

『BEST GUY』の製作には航空自衛隊が協力しており、F-15Jをはじめとする実機も多数登場し、そのシーンの迫力はいまでも高く評価されていますが、ソ連空軍(当時)のSu-27「フランカー」戦闘機に対する緊急発進のシーンでは、当時まだ黎明期であったCGを使用したため、実機の迫力とのギャップが大きく、それもあってか興行的にも成功とはいえない成績に終わり、現在ではカルトな人気を持つ「怪作」として語り継がれています。

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航空自衛隊千歳基地 第201飛行隊のF-15J「イーグル」(画像:航空自衛隊千歳基地)。

 海外では、1986(昭和61)年から1995(平成7)年にかけて、戦闘機パイロットを主人公に据えた映画『アイアンイーグル』シリーズが4本製作されていますが、『アイアンイーグル』というタイトルであるにもかかわらず、シリーズに登場するのはF-16やレシプロ戦闘機P-38「ライトニング」などで、F-15「イーグル」は一度も登場していません。

 F-15は、空対空戦闘で一度も撃墜されることなく100機以上の敵機を撃墜し、また戦闘爆撃機型のF-15E「ストライクイーグル」も湾岸戦争などで大きな戦果を挙げるなど、確実に戦闘機の歴史に名機としてその名を刻むはずです。そろそろF-15にも、その実績に見合った出演作と役回りが与えられて欲しいと思うのは、筆者だけでしょうか。

【了】

【写真】ロボに変形しそうな色合い&部隊マークのF-14「トムキャット」

テーマ特集「『トップガン』の戦闘機大特集 F-14やF/A-18…徹底解説!」へ

Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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コメント

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6件のコメント

  1. インディペンデント.デイでウィルスミスが搭乗してたのはF16ですよ。終盤の戦闘ではエイリアンの戦闘機に乗って母船まで行ったのでF/A18には搭乗してません。

    • ウィル・スミスが演じていたのは海兵隊の戦闘機パイロットで、エル・トロ海兵隊航空基地(公開当時)からF/A-18で出撃して、攻撃失敗後にエリア51にたどりついています。
      この人はアイアンイーグルでも見てたでしょうか。

  2. イーグルは日本で撃墜されているのを何度言ったら分かるのか?

    • あれは訓練、実戦じゃないって何度言ったら分かるのか?

  3. F15の銀幕だったらエアフォースワンがあるでしょ

  4. ゴジラVSキングギドラでF-15部隊がキングギドラに駆逐されるシーンならある。活躍というよりヤラレ役だが。