近郊形に通勤形…? 首都圏を走るJRの鉄道車両 形式では一概に括れない変遷の歴史

国鉄時代、車両は走行距離に応じて「近郊形」「通勤形」と区別され、車内の設備にも違いがありましたが、首都圏のラッシュ輸送に対応するなかで、その区別があいまいになっていきました。路線の事情に応じどう変化したか見ていきます。

近郊形だが増えるロングシート 通勤形との区別があいまいに

 しかし1980年代後半になると、東海道線や高崎線、常磐線などの混雑は都市規模の拡大とともに激しくなり、近郊形の車両では積み残しが発生するほどの混雑となります。そこで少しでも収容力を高めるため、1985(昭和60)年に登場した211系は、ロングシートのみの車両を組み込み始めます。

Large 20200609 01
近郊形車両の座席配置は、ドアのあいだにボックスシート、ドアの周囲はロングシートで、ドアは片側3か所だった(2006年4月、児山 計撮影)。

 211系の場合、東海道線では15両中5両、高崎線では15両中10両をロングシートとしましたが、それでも間に合わず、JR化後はクロスシート車両の製造を中止し、ロングシート車両のみを製造するようになりました。

 さらに1997(平成9)年、横須賀・総武快速線に投入されたE217系は、近郊形であるにもかかわらず、乗降時間を短縮するため片側4ドアの車両として登場。ボックスシートはグリーン車を除いた13両中3両、残り10両はすべてロングシートとなり、車内設備に限れば通勤形との区別がつかなくなりました。

 E217系の投入で横須賀・総武快速線のラッシュ輸送が改善されたことから、JR東日本は首都圏に残る近郊形の車両をすべて4ドア車両に置き換えることとし、東海道線、高崎・宇都宮線にはE231系の「近郊タイプ」を投入します。

【写真】「特急形」兼「近郊形」の車両 ほか2020年導入予定の車両

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. JRは必ず「宇都宮線・高崎線」や「宇都宮・高崎線」の順で案内しているので、それに合わせるべきです。

  2. E217系が登場した時の『鉄道ファン』誌に解説記事が出ていたが、

    4扉近郊型車両は国鉄時代から構想があって、

    ロングシート⇔クロスシート転換機構(実車試験は行われた)や、

    歯車比変換機構付き台車が構想されていたとか。

    '60年代末と'80年代初めに構想が持ち上がったものの、

    いずれも立ち消えになった模様。

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  3. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号