近郊形に通勤形…? 首都圏を走るJRの鉄道車両 形式では一概に括れない変遷の歴史

国鉄時代、車両は走行距離に応じて「近郊形」「通勤形」と区別され、車内の設備にも違いがありましたが、首都圏のラッシュ輸送に対応するなかで、その区別があいまいになっていきました。路線の事情に応じどう変化したか見ていきます。

利用実態に合わせて設備は変わる 総称して「一般形電車」

 E231系の近郊タイプは、4ドア化によって乗降時間が短縮されたことと、長距離利用が横須賀線よりも多いことからクロスシートの割合は増えたものの、ロングシートの車両は通勤形と同じ仕様となりました。同様に常磐線も、3ドアの415系を4ドアのE531系に置き換え、首都圏の通勤形と近郊形の車両は通勤ライナー用の215系を除き、4ドアにほぼ統一されました。

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東海道線や常磐線などでは、長距離利用客のために一部車両にクロスシートが残された(2013年1月、児山 計撮影)。

 首都圏の車両が4ドアで統一されると、接客面では通勤形、近郊形というカテゴリ分けも無意味なものとなり、JR東日本は2000(平成12)年から「一般形電車」という名前で統合。以降はE231系および発展型のE233系、E235系を基本に、路線事情に合わせてトイレの設置や座席の構造を変化させるようにしました。

 2020年からは横須賀・総武快速線に新型車両E235系が投入される予定です。この車両はグリーン車を除いた全車両がロングシートとなり、同線からはかつての近郊形要素がまったくなくなります。一方で房総地区などに投入予定のE131系は、通勤輸送よりも着席需要を重視して、一部はボックスシートとなる予定です。

 今後JR東日本が新型車両を投入する際は、これまでの通勤形や近郊形の枠にとらわれず、利用実態を鑑みたうえで客室のサービスが設定されていくことでしょう。

【了】

【写真】「特急形」兼「近郊形」の車両 ほか2020年導入予定の車両

Writer:

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

2件のコメント

  1. JRは必ず「宇都宮線・高崎線」や「宇都宮・高崎線」の順で案内しているので、それに合わせるべきです。

  2. E217系が登場した時の『鉄道ファン』誌に解説記事が出ていたが、

    4扉近郊型車両は国鉄時代から構想があって、

    ロングシート⇔クロスシート転換機構(実車試験は行われた)や、

    歯車比変換機構付き台車が構想されていたとか。

    '60年代末と'80年代初めに構想が持ち上がったものの、

    いずれも立ち消えになった模様。

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