ガソリン価格 8月からグッと上がったワケ 値上げ12週連続 このままコロナ前に逆戻り?
値上がりの背景に産油国からの「割増金」 今後どうなる?
石油情報センターによると、8月に入ってからのガソリン価格の大きな値上がりは、産油国の国営石油会社が、消費国の石油会社に対して7月に設定した割増金の影響だそうです。これが、8月第1週向けの石油元売り会社の卸値に反映され、前の週と比べ卸値ベースで一気に4円も上がったのだとか。
「5月の連休の頃には、産油国はむしろ割引金を設定していました。石油が余っているからいっぱい買ってほしい、という状況だったわけですが、石油の減産も功を奏し、いまやガソリン需要は95%、軽油の需要も90%回復したといわれます」(石油情報センター)
今後もガソリン価格は上昇し続け、「コロナ前」の水準に戻ってしまうのでしょうか。石油情報センターは、「とりあえず来週(8月10日調査)は『小幅な値上がり』を予想しています」と話します。
「上がり続けていた原油価格が、直近になり若干下がってきており、石油元売りも8月第2週向けの卸値は1円下げています。とはいえ市中の価格引き上げの動きに原油価格が下がった影響が追い付かず、結果としては小幅な値上がりになるでしょう」(石油情報センター)
原油価格が下がってきた要因は複合的です。ひとつには、新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」ともいわれる感染者の世界的な増加、また8月から産油国が石油の減産量を緩和させたこと、さらには米中摩擦の激化や、アメリカ大統領選の影響も出てくるだろうといいます。特に「第2波」による世界経済への影響は、誰も予測できず、しばらくは世界の原油価格とガソリン価格とが綱引きをするような状況が続くのでは、とのことです。
【了】
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