都市と地方のワンマン運転 目指すところは違う? 長い列車に一人で乗務する意味と課題

人身事故 列車火災… 非常時の対応は重要課題

 ワンマン運転での重要な課題は、事故など異常時の対応ともいえます。例えば人身事故が発生すると、本来は運転士が現場の状況を確認し指令に伝え、その間の乗客対応は車掌が行いますが、ワンマン運転の場合はそれを運転士一人で行う必要があります。列車火災時も同じです。本来は運転士と車掌で行う避難誘導も、一人でこなさなければなりません。通常時はシステムや設備が整っていれば問題ありませんが、異常時に課題が如実になってきます。異常事態への対応は一人でも多い方が良いため、ワンマンであることで遅れがさらに拡大してしまうということも考えられます。

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京都鉄道博物館に展示されているダイヤグラムの実物。列車の運行時刻は秒単位で決められている(2017年10月、恵 知仁撮影)。

 一見、都市圏であれば駅間距離が短く、非常時の応援もすぐに駆けつけられるような気もしますが、その駅自体もアウトソーシング化が進み、必要な処置が正しくできる駅員もどんどん少なくなっていることが懸念されます。

 筆者(西上いつき:鉄道アナリスト・IY Railroad Consulting代表)も経験がありますが、ワンマン運転時に遅延が発生している場合、「次のターミナル駅での接続案内はどうなるか」などの懸念が頭の隅に残ります。運転に集中しなければならない場面で気が散ることは危険です。JR東日本が導入を計画するATOは、遅延などの運転条件も考慮されているようですが、高度な装置への設備投資ができない鉄道事業者との格差が大きくなることも課題です。

【写真】車掌車を再利用した駅舎があった

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コメント

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1件のコメント

  1. 今のAIや車の自動運転の技術革新を見ていると、車なんかより電車の方が自動運転化し易いんじゃないの? カメラによる安全確認や非常ブレーキのスピードもそうだし、自動運転は居眠りやスマホ操作はしないからね。
    だけど、痴漢やトラブルの対応はまだAIじゃ出来ないから、どちらかというと車掌を無くすより運転士を無くす方が先決なんじゃないのと思ってしまう。