入間基地の訓練で見た 航空自衛隊のCH-47J「チヌーク」だけが装備する特許技術って?

空自「チヌーク」のみ装備する「動く床」とは

 入間基地で最初に取材したのは、物資積載訓練です。CH-47J「チヌーク」の後部ドアを開放し、ここにカーゴローダ―という物資積載用の支援車両を近づけ、荷物が積まれたパレットを積み下ろしするという内容です。

 この訓練のときに、航空自衛隊の「チヌーク」における一番の特徴を垣間見ることができました。それは「床レベリング装置」というものです。これは、CH-47J「チヌーク」を日本国内でライセンス生産する川崎重工が住友精密工業などと共同開発した装置で、降着装置、いわゆる脚のダンパーを伸縮制御式にすることで、「チヌーク」の機体床面の高さを任意に変更できるものです。

 これがあると、機体床面の高さをカーゴローダ―と同じ高さにすることができるため、いわゆる面一(ツライチ)にすることで、簡単迅速に積み下ろし作業を行えるのです。

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物資積載訓練でCH-47Jの機内にパレットを入れているところ。機内床面がカーゴローダ―と同じ高さになっているのがわかる(2020年9月、柘植優介撮影)。

 床レベリング装置は1995(平成7)年に特許出願され、翌1996(平成8)年に登録された独自技術です。CH-47「チヌーク」は母国アメリカ含めて世界20か国以上で導入されたベストセラー大型輸送ヘリコプターですが、この床レベリング装置を備えている機体は川崎重工のライセンス機のみで、さらに航空自衛隊調達分のみとのことです。

 前出の通りCH-47J「チヌーク」は、航空自衛隊とともに陸上自衛隊も運用していますが、こちらの機体では、脚を伸縮させて機体の高さを変えることはできないそうです。

【写真】空自「チヌーク」の特徴 床レベリング装置&ホイストを使った訓練の様子

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