入間基地の訓練で見た 航空自衛隊のCH-47J「チヌーク」だけが装備する特許技術って?

空自チヌーク乗りはホイスト救助も任務のひとつ

 物資積載訓練ののち、次は入間基地の滑走路脇において、ホイストを使った人員の上げ下ろし訓練も行われました。このとき使われていたのが、機体右側面に装備した外付けのホイストです。

 この装置はワイヤーロープで重量物を上げ下げする機械で、おもに要救助者などを救出するときなどに用います。陸上自衛隊のCH-47J「チヌーク」には外付けのホイストはなく、これも航空自衛隊の「チヌーク」ならではといえる特徴のひとつです。

 訓練では、狭小地での救助を想定して軽トラックの荷台を用いていましたが、これは災害派遣などで家のベランダのような狭い場所に降りることもあるからだそうです。

 最近では2019年10月、関東地方を直撃した台風19号で、入間ヘリコプター空輸隊のCH-47J「チヌーク」は、群馬県館林市などでホイストによる孤立者救助を行いました。そのときの写真を見ると、まさしく家屋のベランダにホイストで隊員が降りています。やはり平時から狭小地に降りる訓練をしているからこそできるといえるでしょう。

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上空でホバリングするCH-47Jに向けて人員を引き上げているところ。軽トラックの荷台は縦が約1.9m、横(幅)が約1.4mしかない(2020年9月、柘植優介撮影)。

 このほかにも取材では、物資スリング訓練なども間近で見ることができました。

 航空自衛隊は2020年現在、CH-47J「チヌーク」を約15機保有しており、今回取材した埼玉県入間基地以外に、青森県三沢基地、福岡県春日基地(福岡空港隣接の板付地区)、沖縄県那覇基地の計4か所に配備されています。

 これら基地含め、各地で行われる航空祭などに足を運ばれた際には、間近で見てみると、今回取り上げた装備以外にも航空自衛隊のCH-47J「チヌーク」ならではの特徴を発見できるかもしれません。

【了】

【写真】空自「チヌーク」の特徴 床レベリング装置&ホイストを使った訓練の様子

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