地元の足として… 存続決定くま川鉄道 全線不通から復旧への道のり

くま川鉄道の復旧に向けて動きが

 工事自体はまだ着手されていませんが、運行再開の兆しは見えてきました。復旧計画などを策定する「くま川鉄道再生協議会」が12月にも開催される予定です。

 くま川鉄道の現状として、流失した球磨川第四橋梁から上流部分は被害がそれほど大きくなく、肥後西村駅(熊本県錦町)から終点の湯前駅までは線路が比較的しっかり残っています。例えば、そこに修理を終えた車両を陸送し、両駅間で運行再開するということも考えられます。

 肥後西村~湯前間の営業キロは19kmで、全区間24.8kmの8割近くを占めます。この区間だけでも鉄道輸送が復旧できれば、利用者の負担軽減が期待できます。ただし、全線復旧は球磨川第四橋梁の再建が必要で、復旧に3~4年はかかる見通しです。

 再生協議会が設置され、くま川鉄道の復旧も少しずつですが動き出しています。全線復旧にはまだ時間がかかりそうですが、区間復旧の日は遠くないものと筆者(河嶌太郎:ジャーナリスト)は信じています。くま川鉄道をはじめ、被災された地域住民の方々の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

【了】

【写真】水に浸かった車両の床下部分

Writer: 河嶌太郎(ジャーナリスト)

1984年生まれ。千葉県市川市出身。『週刊朝日』『AERA』などの雑誌のほか、「Yahoo!ニュース個人」「AERA dot.」「DANRO」「ITmedia」などのウェブで執筆。アニメを用いた地域振興からゲーム、IT、鉄道など幅広い分野を扱う。国内の鉄道路線の乗り潰しが趣味だが、災害による不通路線を残したまま数年が経過中。

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コメント

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2件のコメント

  1. 開通しても県外などの利用者が人吉までアクセスするのが一苦労ですね。そもそも以前からいわゆる肥薩(川)線の乗客減は著しかったといい、JRも復旧するかどうか自治体などの出方待ちなのではないですか。

    • 本文にも書かれている通り、利用者の大半が沿線の学校へ通学する学生であり、通学や通院の足として沿線住民に認知されて成り立っている路線と言えます。
      県外からの利用者が困難なのはあまり問題ではないと思います。事実、県外から来る客は肥薩線を利用する可能性が高いでしょうが、その肥薩線だって輸送密度が小さく存続も危ぶまれているほどですから、肥薩線が復旧しないとくま川鉄道が困ると言うことはあまりないといえると思います。くま川鉄道と肥薩線は切っても切り離せない問題と言うわけでもないようです。