名機か珍機かP-39「エアラコブラ」 造った国と貰った国で評価が真逆 日本じゃ「かつお節」

第2次世界大戦中、ソ連はアメリカやイギリスから様々な兵器を供与してもらっていましたが、そのなかには米英両国が持て余したものも含まれていました。しかし、ソ連が使ったことで名機に昇華した機体もあったのです。

高高度迎撃しないならターボいらないよね

 ところが、アメリカ陸軍航空隊は高高度迎撃戦闘機の役割を双発機バージョンに集約することを決めます。その結果、単発機バージョンとして生まれたP-39「エアラコブラ」は、低高度向けの制空戦闘機へと仕様が変更されることになり、高高度まで上がらないのであれば必要ないとしてターボ・チャージャーが外されてしまいます。加えて、初飛行の年(1939年)にヨーロッパで第2次世界大戦が勃発したことで、その戦訓に基づき、防御力強化の一環で装甲も増設されました。

 これが機体性能にもろに悪影響を与えました。中高度以上でのエンジン・パワーの低下と、機体重量の増加というダブルパンチになったのです。一応、風雲急を告げる状況下のため、制式化されて大量生産が始まったものの、中低高度域でのドッグファイトにきわめて強い零戦との戦いでのボロ負けぶりに、戦闘機には向いていないとの烙印が押され、アメリカ陸軍は、性能に優れた別機種の生産と供給が安定するようになると、P-39「エアラコブラ」を第一線では運用しなくなりました。

 一方、アメリカよりも先に第2次世界大戦を戦っていたイギリスは、軍用機不足に悩んでいたためアメリカ製航空機を次々に購入、その中にP-39「エアラコブラ」も含まれていました。

 イギリス空軍は同機に「カリブー」の愛称を付けたものの、あまりの低性能に受領を拒否する始末。こうして宙に浮いた機体は、ドイツと戦っているソ連への援助兵器として送り出されたのです。

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イギリス空軍に引き渡されたP-39「エアラコブラ」。本機は機首にプロペラ同軸式の37mm機関砲(型式によっては20mm機関銃)を装備していた(画像:イギリス空軍)。

 ある意味、アメリカから“厄介者”をあてがわれたソ連でしたが、ではアメリカやイギリスの場合と同様にP-39「エアラコブラ」に低い評価を与えたのかと思いきや、同国では逆に大変な好評をもって迎えられました。

 その一端を示す好例が、ソ連エースパイロット上位5人の乗機に占めるP-39の割合です。第2位のエースで59機撃墜のアレクサンドル・ポクルィシュキン、第3位で57機撃墜のニコライ・グライエフ、第4位で56機撃墜のグリゴリー・レチカロフ(各人の撃墜機数には異説あり)と、実に5人中3人がP-39でもっとも撃墜機数を稼いでいたのです。

【写真】「かつお節」がズラーリ… P-39の生産ライン

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