東武野田線なぜ全線複線化せず? 単線のまま急行・特急新設&高架化のワケ

区間を分けると… ダイヤに輸送需要が反映されている

 野田線は複線化と急行列車の運転で所要時間短縮の努力を続けています。2016年までは臨時特急を除き各駅停車のみ。しかも柏駅を境にほとんどの列車の運行が分断されていました。これは同駅がスイッチバック構造になっているためです。しかし、2016年から急行を設定し、大宮~船橋間の全線直通列車が増えました。2017年からは夕刻以降に特急「アーバンパークライナー」が運行されています。

 野田線の輸送状況は列車ダイヤに反映されています。そこで市販の時刻表を元に、2021年3月13日現在のダイヤグラムを作ってみました。タテ軸は駅、ヨコ軸は時間です。列車はナナメの線で示されます。数字だけの時刻表と違って、運行状況がよくわかります。

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平日ラッシュ時から昼頃にかけての野田線のダイヤ。青線は急行、緑線は区間急行(列車ダイヤ描画ツール「OuDia」で作成)。

 細い線が各駅停車、青い線が急行、緑の線が区間急行です。急行と区間急行は停車駅に印を付けました。急行は高柳駅(千葉県柏市)で先行する各駅停車を追い越しています。複線、単線、追い越しあり。列車の種別は各駅停車、急行、区間急行、特急と、列車ダイヤ好きにはフルコース料理のような面白さがあります。

 午前7時台と8時台は大宮~春日部間、柏~船橋間の運行密度が高くなっています。大宮や船橋からJR線に乗り換えて東京方面への通勤通学需要が多いとわかります。次に密度の高い区間は柏~運河間です。つくばエクスプレスに乗り換えできる流山おおたかの森駅へ向かう人が多いと思われます。これらの区間はすべて複線化されており、列車もほぼ等間隔です。全体を俯瞰すれば、野田線は春日部通勤圏、柏通勤圏、船橋通勤圏に重点を置いているといえます。

【画像】「日本一忙しい単線」!? 野田線のダイヤ

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コメント

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5件のコメント

  1. 野田市駅は今後2面4線化されるし、完成した高架橋を見ると将来複線化された際、
    増設線となる側(現在地上に残ってる線路側)には梁を延長できるよう突起が設けられており、複線化を考慮されたつくりをしている。
    東武も全然お金出している。

  2. 野田線沿線の中で野田市駅近辺がいちばん列車本数すくないのか ・・・

    • そりゃ乗降人数少ないからね

  3. 小江戸川越を走る、東武東上線にも特急車輌「リバティ」の導入を希望します。
    また、現状の三つに分散している「川越駅」は、乗換がスムーズに(3分未満)出来るよう、地下でも地上でもコンコースを速やかに作って欲しい。

  4. 3ページ目末に「春日部通勤圏」とありますが、実態と記事の内容とを踏まえると、「大宮通勤圏」ではないでしょうか。