東武野田線なぜ全線複線化せず? 単線のまま急行・特急新設&高架化のワケ
残る単線区間 春日部駅の高架化計画とともに複線化なるか
単線区間は春日部~運河間です。まもなく高架化される区間も含まれます。ダイヤからも列車の運行本数が少ないことがわかります。ただし、この区間はすべての駅で行き違いが可能となっているため、設備をフル活用して運行本数を確保しています。複線化すると列車の運行本数を増やせそうですが、現在でも朝の混雑時間帯は約7分間隔、日中も約10分間隔ですから、ほかの東京近郊路線と比較しても遜色ない運行本数といえるでしょう。
複線化の優先順位としては、伊勢崎線に接続する春日部駅側かもしれません。そしてよく見ると、もう少し増発できそうな「隙間」があります。
この列車ダイヤに回送列車は反映できていません。野田線は七光台駅(千葉県野田市)付近に車両基地があるため、回送列車が「隙間」に設定されているのかもしれません。しかし、需要が高ければ回送車両も客を乗せて営業運転するでしょうから、やはりこの区間はダイヤに余裕がありそうです。
東武野田線を全線複線化して運行本数を増やせば、沿線はさらに宅地化が進みそうです。春日部~運河間は複線化できそうな用地もあります。しかし単線の鉄橋が多く、複線化のコストは大きいでしょう。費用対効果を考えると、乗客数の増加見込みがないと踏み出せません。いずれにしても春日部~清水公園間が単線のままでは、清水公園~梅郷間を複線化しても、列車の本数を増やしにくいといえそうです。
ところで、春日部駅とその付近については連続立体交差の計画があります。事業主体は埼玉県で、同駅を高架駅とし、周辺の10か所の踏切をなくします。同駅の野田線ホームは、現在の1面2線から2面4線に拡張され、伊勢崎線と直通しやすい線路配置になるとのことです。これが春日部~清水公園間の複線化のきっかけになるかもしれません。
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Writer: 杉山淳一(鉄道ライター)
乗り鉄。書き鉄。ゲーム鉄。某出版社でゲーム雑誌の広告営業職を経て独立。PCカタログ制作、PC関連雑誌デスクを経験したのち、ネットメディアなどで鉄道関係のニュース、コラムを執筆。国内の鉄道路線踏破率は93パーセント。著書に『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。日本全国列車旅、達人のとっておき33選』(幻冬舎刊)など。
野田市駅は今後2面4線化されるし、完成した高架橋を見ると将来複線化された際、
増設線となる側(現在地上に残ってる線路側)には梁を延長できるよう突起が設けられており、複線化を考慮されたつくりをしている。
東武も全然お金出している。
野田線沿線の中で野田市駅近辺がいちばん列車本数すくないのか ・・・
そりゃ乗降人数少ないからね
小江戸川越を走る、東武東上線にも特急車輌「リバティ」の導入を希望します。
また、現状の三つに分散している「川越駅」は、乗換がスムーズに(3分未満)出来るよう、地下でも地上でもコンコースを速やかに作って欲しい。
3ページ目末に「春日部通勤圏」とありますが、実態と記事の内容とを踏まえると、「大宮通勤圏」ではないでしょうか。