約20年ぶりの東急新駅「新綱島」周辺を歩く 激変する街に残る「温泉」と「桃」の記憶

かつての温泉街 今、その名残はどこにある?

 綱島温泉は東京に近いこと、交通の便が良いことなどから、箱根に次ぐ集客を誇ったものの、東海道新幹線の開通により伊豆・箱根が身近になったために衰退し始めます。綱島温泉浴場は、さまざまな変遷を経た末に「綱島ラジウム温泉東京園」となりました。あの黄色い外観の温泉のことで、2015(平成27)年に休業しました。なお、新綱島駅建設地北側には「きよ水」と書かれた看板の残る日本家屋、綱島街道沿いのビジネス旅館「まつしろ」などに温泉街の名残を見出せます。

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東急新横浜線の日吉~新横浜間に新設される新綱島駅(画像:東急)。

 新綱島駅のホームは地下となりますが、その上部では、低層部に区民文化センターも入居予定のタワーマンション建設が進んでいます。バス乗降場も設けられ、新たな交通拠点となりそうです。また、周囲を散策しているとあちこちに中規模な駐輪場が見られますが、再開発にあたっては1000台収容できる地下駐車場も計画されています。このほか掲出されている建築計画には「老人ホーム」という文言も見られました。綱島駅東口から新綱島駅にかけては道が狭く、そのうえ綱島街道が横切っていますが、一帯には再開発ビルを回遊する歩行者デッキの整備計画も立ち上がっています。

 鶴見川の手前、高層マンションと新横浜線の新横浜トンネル(新綱島~新横浜)工事現場の間に差し掛かったとき、周辺の景色とはおよそ馴染まない桃園に遭遇しました。綱島は明治時代より桃、それもこの地で生まれた「日月桃(じつげつとう)」の産地でした。大正時代から戦前にかけては品評会で上位入賞の常連で、三越や銀座千疋屋など一流店で販売されていたとのことです。

【写真】もう反映されてる! 案内板の「新綱島駅」&新駅周辺の様子

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コメント

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1件のコメント

  1. 何度も何度もいうが、東京オリンピックを本当にやりたいなら、今年中はコロナ対策に専念し、無駄を減らした上で、最早でも東急新横浜線の開業と同じ ”2022年度下期” に再延期すべきである。あと、相鉄jr直通は本数、利便性、所要時間、ダイヤの影響から見ても廃止または西谷で全て折り返しにしたほうがいい。じゃないと、ダイヤが乱れたときに遅延が広範囲に影響される。相鉄JRを見ているとオリンピックのために無理やり建設されたとしか言いようがない。