なぜ品川駅に地下鉄が通っていないのか 実は「ある」? そして2路線目も?

品川駅に地下鉄は「必要なかった」

 日本で地下鉄建設が検討され始めたのは大正時代のことです。当時の東京の中心部は新橋~上野間で、この区間には山手線と京浜東北線が運行されていました。ところが東京の人口が増加し、都市圏が拡大すると、山手線の西側の人口が増加していきます。

 これらの地域の人々は、中央線で都心まで直通できる人を除けば、私鉄から山手線に乗り換えて都心に通わねばなりませんでした。ぐるりと円を描く山手線は遠回りですし、乗客が集中するため大混雑します。

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京急線と都営浅草線が乗り入れる泉岳寺駅。品川駅のひとつ隣(画像:写真AC)。

 そこで、各ターミナルと都心を結ぶ地下鉄を建設し、山手線の混雑を緩和しようと考えたのです。そのため最初期に計画された5つの路線は池袋や新宿、渋谷、目黒、五反田など山手線のターミナル駅と都心を結ぶ計画でした。

 ではなぜその中に品川が含まれていなかったのか。答えは簡単です。品川には既に都心に直通する山手線と京浜東北線が走っていたからです。現代的な感覚では、地下鉄と山手線、京浜東北線は性質が異なるように思うかもしれませんが、どちらも都市高速鉄道というジャンルの交通機関です。

 それまで都市の移動の主役だった路面電車は道路を人や車と共用するため速度が遅く、定員も少ないのに対し、大型の車両が専用の線路を高速で走る都市高速鉄道は、路面電車よりも速く、大量の乗客を運ぶことができるため、都市の郊外化に対応することが可能です。

【延伸される?】品川駅を目指す地下鉄2路線

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コメント

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3件のコメント

  1. 白金高輪〜品川は誰がカネを出すのか、所有者は誰になるのか楽しみですね。
     国鉄的セクターが都市交通をも担ってしまうのは他の国でも見られることですが、日本ではその国鉄的なものや私鉄が交通需要を負担しすぎたので地下鉄ではない鉄道の輸送量が突出してしまったのですね。
     (同様にエネルギー原単位で日本の鉄道の成績がよいのは乗客が混雑を忍従しているからでしょう、こちらもコロナ後はどうなるかわかりませんが。)

  2. そもそも
    品川駅は品川区になく港区
    港区にある

    京急の品川駅南側にあるけど
    品川区の北側にあるから
    次の駅は「北品川」

  3. 確かに品川から
    渋谷や山ノ手内回り方向は
    ぐるりと遠回り、内側に行こうにも地下鉄が無い