日本最古の飛行場「岐阜基地」管制塔に潜入 大パノラマ広がる高い塔でのお仕事とは?

名古屋飛行場に隣接する岐阜基地の特性

 岐阜基地の管制の特徴について隊員に聞いてみたところ、他基地と比べて離着陸する航空機の種類がとても多い点が挙がりました。その理由は岐阜基地に飛行開発実験団が所在するからです。飛行開発実験団は、航空自衛隊が保有する航空機やミサイルの試験などを行うのが主任務であり、ゆえに航空自衛隊が保有するほとんどの航空機を装備しているのが特徴の部隊です。

 F-15J戦闘機はもちろん、大はC-2輸送機から、小はT-7練習機まで様々な飛行機を運用しているため、各機に応じた速度や高度での航空管制が必要になるとのことでした。

 また岐阜基地には川崎重工の航空機工場が隣接しており、新造機のテストやフェリー(空輸)などでは基地の滑走路を使って離着陸するため、それらにも対応する必要があるほか、岐阜県警や岐阜県防災航空隊のヘリコプターなども所在するため、それらの管制も実施しているそうです。こういったことから、機種についてバラエティに富んでいると話してくれました。

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管制室で無線を使って通信を行う岐阜管制隊の隊員(2021年4月、柘植優介撮影)。

 ほかにも、岐阜基地の南方約16km地点には県営名古屋空港(航空自衛隊小牧基地)があり、その名古屋空港に向けて北側から進入する到着機は、岐阜飛行場のすぐそばを低高度で横切るように飛行するため、その際は岐阜の管制下にある航空機に対して、接近を回避するための経路や高度の制限を指示するとのことでした。

 隊員によると、岐阜基地の管制室には名古屋飛行場や中部国際空港(セントレア)との直通電話もあるといいます。そういったところは、愛知県に隣接した航空基地ならではでしょう。

 岐阜基地に限らず、飛行場においては、その周辺を飛ぶ航空機だけでなく地上の人や車両も管制塔の指示に従う必要があります。その意味では、管制官は高所から地上に睨みを利かす、飛行場の“番人”といえるのかもしれません。

【了】

【写真】管制塔ならではの装備「ライトガン」/一人前の航空管制官だけが持つ徽章とは

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コメント

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1件のコメント

  1. 日本で最古の飛行場って「所沢飛行場」じゃないですか?
    「現存する」って但し書き付ければまあ、正しいかもしれませんが。