JR北海道の増収を考える 航空×列車のコードシェア 民有民営の観光列車ほか
1列車では設定しづらい「留萌行き特急」なども可能に?
JR北海道は航空会社の委託以外に、例えば列車の空席を座席予約システムに統合し販売すれば、富良野、留萌、ニセコなど1列車では設定しづらい都市や地域に対しても集客が見込めます。また南千歳から石勝線や室蘭本線を経由して富良野や留萌へ向かえば、岩見沢、滝川、深川への便の設定が可能になるだけでなく、沿線の活性化に繋がるでしょう。ニセコ行きであれば札幌を経由して運転できるため、小樽への便の設定や札幌~ニセコ間の特急列車としても機能し、函館本線の内陸側の活性化にも繋がります。
「3」に関しては、観光列車「THE ROYAL EXPRESS」に着想を得てみます。この列車は伊豆急の車両を使い、東急、JR東日本、JR貨物が夏場を中心に北海道内で運行しています。この場合、JR北海道は東急などに対して線路を貸す形になるため、「民有民営」の上下分離経営となります。
北海道は雄大な自然の宝庫であることから、観光リゾート列車を運行するには適した条件を有しています。一方で「冬場は雪で閉ざされてしまう」という一面もありますが、スキー人口が減少傾向にある中でも富良野などは雪質が細かいパウダースノーであることから、スキー需要は期待できます。近年は台湾などから、雪を見るために冬の北海道へ観光客が来ることも。その上、北海道は温泉も豊富ですから、これらを絡めた観光客を誘致するリゾート列車を、JR北海道以外の鉄道事業者が企画・運営すれば、JR北海道には線路使用料が入り、増収を図ることも可能になります。
従来のような運賃・料金の値上げや人件費の削減による経営改善ではなく、上述したような新たな増収策を模索して欲しいと筆者は思います。
【了】
Writer: 堀内重人(運輸評論家)
運輸評論家として、執筆活動や講演活動、テレビ出演なども行う。主要著書に『寝台列車再生論』(戎光祥出版)、『地域の足を支えるコミュニティーバス・デマンド交通』(鹿島出版会)、『観光列車が旅を変えた』(交通新聞社)など多数。日本交通学会、公益事業学会、日本海運経済学会、交通権学会会員。
新千歳空港から石勝線経由で富良野に向かうとありますが、
新得~東鹿越間は、もう復旧することなくバス転換予定ですよ。
北海道の実態をご存じないのでしょうか。
新千歳空港→南千歳→追分→岩見沢→滝川→富良野というルートなのかも。
この場合、南千歳から追分までの1駅間だけですが石勝線を通りますし。
絵空事ポエム記事をこうも量産できるのはある意味才能
安楽死せんなんかもなあ。
分割の最大の失敗やで。