東京の交差点「小名木川駅前」…駅どこ? 近くに貨物線 0系新幹線の“生家”も

越中島支線を旅客化する構想も

 越中島支線には今も、新小岩信号所と越中島貨物駅の「東京レールセンター」を結ぶ貨物列車が1日3往復運行されています(日曜日運休。3往復運行されない日もあり)。「アリオ北砂」の脇の線路には、列車交換(行き違い)可能な設備が残っています。

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旧小名木川駅跡を活用したショッピングモール「アリオ北砂」(右)の横を貨物列車が走る(2021年12月、安藤昌季撮影)。

 江東区は越中島支線を次世代型路面電車「LRT」で旅客化することを検討し、2003(平成15)年に報告書「江東区LRT基本構想策定調査」を提出しています。これは、越中島支線と明治通り沿いの都有地を組み合わせ、亀戸駅と新木場駅を15分以内で結ぶ構想です。広島電鉄の「グリーンムーバー」や熊本市交通局の連節車のような車両を用いることが想定されています。

 報告書によると、停留所の設置を検討しているのは、亀戸駅、西大島駅に近い新大橋通りとの交点、アリオ北砂付近、北砂二丁目公園付近、葛西橋通りとの交点、永代通りとの交点、新東京郵便局付近、夢の島マリーナ付近、夢の島公園付近、新木場駅の計10か所です。

 また、東武亀戸線や新金貨物線(総武線小岩~常磐線金町)と接続しての亀戸駅以北への延伸や、新木場駅以南、東京へリポート、若洲への延伸も構想されています。

 筆者(安藤昌季:乗りものライター)は越中島支線に沿いを歩きました。すでにほぼ全線にわたって複線用地が確保され、沿線の人口密度も高いことから実現難易度はそれほど高くないのではと感じました。

 2021年時点では、行政支援なしでの採算性確保が難しいことや、江東区が地下鉄豊住線(豊洲~住吉)の延伸を重視していることなどから旅客化へ向けた進展はありませんが、いつか小名木川駅が旅客駅として生まれ変わる姿を見たいものです。

【了】

【駅はないけど線路は健在】小名木川駅の周辺を写真で見る

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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