「やられメカ」T-72戦車の設計に見る安全への模索 「ビックリ箱」は戦車共通の現象?

「やられメカ」「ビックリ箱」と、その評価を地に落とした感のある旧ソ連製T-72戦車は本当に人命軽視な兵器なのでしょうか。砲塔が吹き飛ぶ構造上の理由や、実のところ他国の戦車のほうが危険かもしれない理由などを解説します。

なぜT-72戦車の砲塔は吹き飛ぶのか その内部構造

 T-72が被弾して搭載している弾薬に引火すると砲塔が吹き飛ぶのは、砲塔真下の車体底部に弾薬を収めた「カルーセル式」と呼称される自動装填装置が悪いようにいわれます。しかしこの「カルーセル」こそ、砲塔を極限までコンパクト化するために旧ソ連/ロシアの設計陣が苦労を重ねて工夫した切り札です。2016年12月20日付けで特許も出願されています。

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アメリカのM60戦車の前面被弾分布図。65%が砲塔に被弾するとしている(画像:アメリカ陸軍/月刊PANZER編集部にて加工)。

 確かに弾薬庫は戦車の弱点です。ロシアはこの弱点をもっとも被弾する確率の低い車体底部に設けました。アメリカ陸軍の研究によると、戦車正面の被弾比率は砲塔が65%、車体上面が33%、地上高1m以下の車体下部は2%という結果が出ています。弾薬庫を車体底部に置くことは車高を低くできることに加え、重心が低くなって走行安定性にも優れるため、理にかなっています。

 T-72の砲塔内は非常に狭いものです。そのなかで、複雑な機構を持つ自動装填装置が、さらに複雑な動きで乗員の足元から弾薬を運びあげ、砲尾に押し込みます。砲手のすぐ脇ではアーム類が上下に動き回り、足元では砲弾ラックがガラガラと大きな音を立てて回転します。

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T-72の砲塔シミュレーター。下部に円形の弾薬庫がある(画像:Vitaly V. Kuzmin、CC BY-SA 4.0〈https://bit.ly/3vRDpeb〉、via Wikimedia Commons)。

 開発された初期には巻き込まれ事故なども発生したそうです。現在では安全性、信頼性ともに向上していますが、居住性はあまり改善していないようです。自動消火装置の導入や、弾薬庫の繊維複合材や装甲による防護など、できる限りの誘爆対策も取られています。

弾薬を補給するT-72戦車の様子とカルーセル式自動装填装置の図解

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コメント

14件のコメント

  1. 乗りものではないな、 

    自爆ドローンの前にはただの粗大ゴミ。

    • この記事の趣旨を何一つわかってない愚か者がここに

  2. 完璧な兵器など存在しない。びっくり箱になるようなロシア軍の戦車運用を問題にすべきだろう。

  3. 話の説明と見解に食い違いが見られる

    ビックリ箱になるのは車室内砲塔下部に円筒状の弾頭を配置するT-72系列ならではの現象だろう

    砲塔後部に弾頭を配置する西側の戦車では撃破されても砲塔が上部に飛びあがる様な現象は起きにくいでしょう。

    西側が砲塔後部配置を採用し続けるのは利点として

    上部からクレーンによる補給がしやすい

    砲塔室内との間に隔壁を設けたり上部補給ハッチなどが誘爆の際に防爆弁の役割も果たすなどして

    乗員の生存性が高められるように図られているのではないかと見受けます。

  4. 自律誘導ミサイルの発展による命中率向上により

    独ソ戦T-34で成果を上げた避弾経始の考え方に基づいた

    半世紀以上前の設計思想によるT-72の装甲はもはや時代遅れとなった

    コンパクトに収めようとした故に改良もままならず

    増加装甲をつぎはぎした所で対策として効果は限られ

    資金資源も限られるなかこの旧式は弱点が露見してるにも関わらず使い回しされてる

    そういうことでしょ。

  5. >>@sukesann

    >>話の説明と見解に食い違いが見られる

    全然食い違ってないぞ。

    ちゃんと本文読んだ?

    西側戦車がいくら砲塔後部に弾薬を搭載してるって言ってもそれはあくまでも即応弾のみの話であって予備弾薬自体は車体側に搭載されてるからそこに被弾したら西側戦車も東側戦車も同じような結果になるのでは?ってのがこの記事の言わんとするところでしょ。

    >>自律誘導ミサイルの発展による命中率向上により~

    そもそも論の話T72系が本当に現代戦では脆弱なのかどうかってのは西側戦車が実験データではなくて実戦データで同じような各種誘導武器に対して頑強であるところを見せないとなんの説得力もない話で。

    今回の件でにわかがジャベリンは万能兵器だの西側戦車は弱点がないだの勘違いして騒いでるけどそれって言うのはそもそも西側第3世代戦車がまともな戦車戦をやってない=未知数だから言える話ってのを理解してなんよな。(湾岸戦争は相手は2世代のましてやモンキーモデルだし、それ以後は西側第3世代に非対称戦以外の実戦経験はなし。)

    • なにも調べずにここの記事鵜呑みに書くなよな、

      現行の西側諸国の戦車の大半は即応弾というよりほぼすべての弾頭を砲塔後部に積んでますよ

      構造について説明しておきながら

      西側のこの構造ではビックリ箱状態にはならない事に気づかないのがおかしいと指摘したまで

      これは先に書いたように

      弾頭を補充する際にクレーンで上部から入れやすい事と

      乗室と弾薬庫を隔離する誘爆対策に加え

      自動装填じゃない戦車で狭い車内の床下からおよそ20Kg超もある弾頭を手で持ち上げるなど無茶で

      装填手のウエストより上、砲身と高さを揃える事で装填の負担を軽減する為でもあります。

      そのくらいちょっと調べれば理解出来る事

      他人の意見にケチつける前によく調べなさい。

    • よく調べられてないのは@sueken氏の方なんだよなぁ…w

      一般に第三世代主力戦車の砲弾搭載数は40発前後だが、砲塔後部のブローオフパネルが着いた即応弾庫には15発前後ぐらいしか入らない そのため25発前後は、ほとんどの戦車でブローオフパネルの着いていない車体弾薬庫や戦闘室内に置いておく

      レオパルト2は弾薬搭載数は42発、しかし、砲塔の弾庫には15発しか入らないし、10式だってはっきり分かってる訳じゃないが、40発程度搭載可能な弾薬の内20発も砲塔の弾庫には入らないとされている

    • @sukesann

      この記事は月刊Panzerのものだから内容は確かなんだよなぁ

      ちゃんと読んでください

  6. 訂正

    >>そもそも西側第3世代戦車がまともな戦車戦をやってない

    ではなくて

    そもそも西側第3世代戦車がまともな正規戦をやっていない

    ね。

    (戦争宣言のあるなしは別として国家間同士での衝突、双方の正規軍同士の衝突という意味での正規戦)

  7. おこんばんちわ❕ロシアのタンクの将兵は戦車内を跳弾する砲弾によって粉々に成り熱で溶けて跡形も無くなった。母親は何と思いますか?独裁者のプーチン大統領のお陰で将来を担う息子がくだらない戦いで命を落とした……。神の思し召しでもなく、キチガイのプーチン大統領のせいで将来性の有る若者が死んだ❗

  8. ウクライナの戦車も大半はT-72やT-80の近代化改修型やその改良型のT-84。西側仕様の砲塔にした国産のオプロートは少ない

    それでもロシア側の損害が目立つのは、兵器固有の脆弱性は当然あるでしょうが

    ・目的がウクライナの親露化なので付随被害の大きい大規模空爆を控えてる

     (今でも民間に被害出てますが米軍の空爆に比べばヌルい)

    ・首都直撃と斬首作戦による短期決着に失敗して準備不足、加えて↑の理由で侵攻前に砲撃や空爆で"地ならし"もできず、カミカゼドローンや対戦車ミサイルの待ち伏せに我慢して進めという脳筋で大量出血

    という政治的制約の影響が大きいでしょう

    ベトナム戦争で「もしソ連国籍のヒコーキだったらシャレにならんからな。トンキン湾の意趣返しで義勇軍送る大義名分にされたらヤバいし、撃つ前に確認しろ絶対」というペンタゴンの交戦規定に縛られてミサイルの射程を活かせず、接近戦を強いられて損害を被った米空軍に近いものがあります

    事実として全体の兵力差ではロシアが圧倒していて、誰もが開戦前後に想像した

    「ロシアのことだからカチューシャよろしく大量のロケット弾を雨のように降らせてド派手に開戦。湾岸戦争の米軍みたいに戦闘爆撃機と巡航ミサイルでレーダーや発電所を潰して最新のステルス機で空軍基地も強襲。大半のウク空軍機を地上撃破して航空優勢を得たら大量の戦闘ヘリと戦車がウラー!とスチームローラーかまして欧米が核にビビって対応決めるまでに全土蹂躙して既成事実するのでは?そりゃドイツもヘルメットしか送らんわ」

    みたいな対NATOガチンコバリバリの戦い方なら結果は違っていたでしょうし、今後ロシアが中国と組んで尖閣有事で手薄になった北海道に乗り込んで来たら、日露戦争で借りのある黄色人種を相手に忖度した縛りプレイはしてくれないでしょう

    今回のロシア苦戦で「ロシア弱くね?」「ロシアでこれなら中国なんて・・・ププ」「つか戦車自体が時代遅れのザコじゃね?」「ドローンやジャベリンがあれば余裕じゃね?」と戦車不要論2.0が一部で散見されますが、油断は大敵です。攻撃で位置が露見して反撃を食らうジャベリン射手の死傷率は低くありませんし、ドローンの運用と対策では中国に一日の長があります。というか自衛隊はドローンを「あんなオモチャは使えないと思った」とそれほど研究していません

    海自や空自が尖閣とシーレーン防衛にかかりっきりで米軍も「米軍基地や米国人が攻撃されたわけじゃないし、核保有国が相手だし・・・まぁ武器弾薬は売ってやるから安心しろよジャップ。利子は安くしとくぜ」と介入せず、北海道でウクライナのような地上戦となった時、陸自が今日のロシア軍のような苦戦をしないためにも時代に即した戦車運用やドローンの活用を研究しないといけませんね

  9. ただの自爆戦車やん

    • 記事読んでその感想とか救いようがないな

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