国鉄の基幹路線になるはずだった? 「阿武隈急行」完成まで25年の紆余曲折 またも地震被害

2022年3月の地震により、一部区間で運休が続く阿武隈急行線。近年、台風など災害の影響を何度も受けている路線ですが、同線の過去を振り返ると、紆余曲折を経て開通に至っています。当初、その大きな役割は、「東北本線のバイパス」でした。

あと800m… 立ち上がった地元自治体

 丸森線の利用者が低迷した理由は、東北本線のバイパスとして建設されたためでもあります。最短ルートとするため駅が町の中心から離れていました。人々は離れた駅へ行くより、バスやマイカーを選びます。1980(昭和55)年の国鉄再建法に関連して、丸森線は第1次地方交通線に指定されてしまいます。その理由は「営業キロが30km以下」「行き止まり線」「輸送密度が2000人/日未満」だったから。当時の丸森線の輸送密度は1082人/日でした。

 丸森~福島間の建設も中断されました。しかし、第1次地方交通線に指定された時点で、レールは東北本線との合流地点の800m手前まで建設されていました。福島駅の北側約5kmの地点です。そこで、福島県・宮城県と沿線自治体は丸森線を、第三セクター鉄道として引き受けると決めました。第1次地方交通線の転換に当たって、国からは営業キロ1km当たり3000万円を上限とする転換交付金が支給され、また転換後5年間は、赤字額の半額が国から補填されました。

 1986(昭和61)年7月、旧丸森線を引き継ぎ、第三セクターの阿武隈急行鉄道が発足。槻木~仙台間の東北本線直通運転も継続されました。1988(昭和63)年には福島寄りの残り800mも完成、同時に全線交流電化も達成しました。こちら側も東北本線に乗り入れて、福島を経由して郡山まで直通しました。しかし、福島~郡山間の直通は2004(平成16)年に中止されています。

 阿武隈急行線の電車は、福島駅で福島交通飯坂線と駅を共有しています。これは第三セクター設立当時、福島交通が株式の過半数を保有したためです。福島交通は阿武隈川ルート上にバス路線を運行していたため、阿武隈急行線には反対の立場でした。そこで、経営主体に福島交通を据えて解決したという経緯があります。2022年現在、福島交通の株式保有率は20%で、福島県の28%、宮城県の25.6%に次いで第3位です。

【阿武隈急行線の前身】「国鉄丸森線」時代の写真

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コメント

1件のコメント

  1. 私のふるさと丸森町。旧丸森線は1日5往復で、日本一の赤字路線だったと記憶しています。故郷を離れ東京にいましたが、丸森線が阿武隈急行と名前を変え、丸森駅から福島駅まで開通したときはとてもうれしかったですね。地元では親しみを込めて阿武急と呼んでいます。丸森町の「阿武隈ライン舟下り」はこたつ舟がありマスコミに取り上げられました。不動尊公園キャンプ場も人気があると思います。震災や台風など阿武急も丸森町も被害を受けましたが、その都度頑張って復興を目指しています。頑張れ阿武急、頑張れ丸森町。

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