超貴重「明治時代のグリーン車」を見てきた サイズはまるでマッチ箱 座席配置にナルホド
100年以上前に製造された、現在のグリーン車に相当する客車に立ち入ったことはあるでしょうか。高知県内で保存されているロ481号は、御料車を除くと唯一といえる優等客車の保存例です。どんな客車でしょうか。
鉄道開業100周年を記念して復元保存
明治時代の鉄道車両は、博物館明治村(愛知県)や鉄道博物館(埼玉県)など、各地で保存されています。ただし、高知県佐川町にある「ロ481号客車」は、その中でも特筆すべき保存車両といえるのではないでしょうか。
なぜならこの客車は、「明治時代の2等客車」だからです。2等車は、現代でいうグリーン車に相当します。御料車や3等客車の保存例はいくつかありますが、一般客が乗車できた優等客車の保存車両はここだけではないでしょうか。ちなみに鉄道博物館にある「開拓使号客車」は、1880(明治13)年の優等客車ですが、これは開拓使長官など、一部の人だけが乗車できる特別車両でした。
ロ481号は、1906(明治39)年に鉄道作業局新橋工場(現在の東京総合車両センター西エリア)にて、32両製造されたうちの1両です。形式は「D400形」。全長7.977m、全幅2.489m、全高3.638m、自重7.37トンでした。現代の在来線鉄道車両は、全長20m、全幅2.9m程度が大半ですから、かなり小型の車両といえそうです。しかも車体は木製なので、車輪が4本あるボギー台車ではなく、2本だけの1軸台車です。連結器もバッファーが付いたねじ式であり、現在主流の連結器とは異なります。
このロ481号は、現在のJR土讃線の前身である高知線を走りました。東京から四国にやってきたのは1924(大正13)年のこと。この年、同線は須崎駅から高知方面の日下駅(高知県日高村)までが開業し、同年中に高知駅まで延伸されています。
なお当時、高知線はどことも接続していませんでしたから、新線開業に合わせてロ481号は、線路以外を伝って運ばれてきたことになります。
うむ、(洗面台はあっても)トイレの写真がないようですが…。