JR奥羽本線が全通した日-1905.9.14 青森への第二の幹線 生まれた難所・難読・新幹線

災害で不通 500人/日未満の利用者数…

 さて、そのような奥羽本線ですが、現在は全線を通した列車を運行させることはできません。山形新幹線の開業に伴い、軌間が福島~新庄間と新庄~青森間で異なるからです。同線はミニ新幹線が運行される路線でもあり、山形新幹線に加え北側では、大曲~秋田間で秋田新幹線が運行されています。なお新幹線の開業前は全線を走破する列車として、上野~青森間を結んだ寝台特急「あけぼの」などがありました。

 すでに120年近くの歴史がある奥羽本線。しかし最近は逆境に立たされているともいえそうです。2022年8月初めの大雨では、路盤流出や倒木、土砂流入の影響で、一時は秋田・青森県内で100kmを超える不通区間が生じました。1か月以上が経過した今でも鷹ノ巣~大館間は復旧の見通しが立っていません。

 また、JR東日本が7月末に公表したローカル線の経営状況によると、奥羽本線は県境をまたぐ区間で特に利用者数が少なく、最後に開通した湯沢~横手間は2000人未満/日、さらにそのすぐ南側、湯沢~新庄間は500人に満たない状況です。

 全長480kmあまりの幹線は、区間によってその様相が大きく変わる路線でもあります。

【了】

【写真】かつて全線走破した急行「津軽」

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。