九州にも国鉄103系なぜ在籍? 登場は20年遅れ “新しい電車は不要”当時の判断

国鉄を代表する通勤形電車103系は、首都圏や関西、名古屋周辺でも活躍した電車です。その多くは引退していますが、九州では筑肥線で現役です。同線にはだいぶ遅れて導入されましたが、「103系でなければならなかった」理由があります。

なぜ筑肥線は103系を必要としたのか

 首都圏では省エネルギー対応の電車が導入されたのに、筑肥線には一世代前の電車が新規に造られた格好です。その理由は、車両の仕組みと筑肥線の事情にあります。

 省エネルギー電車では、ブレーキの際に発生する電力を架線に戻す、「回生ブレーキ」の機能を搭載しました。しかし当時の筑肥線は、地下鉄空港線よりも駅間距離が3倍程度も長く(空港線が約1km、筑肥線約3km)ブレーキの回数が少ないので、省エネルギー電車の導入効果が期待できないと判断されたのです。

 また、地下鉄は都心部を走る一方で、筑肥線は郊外を走る路線ですが、利用者が少ない郊外の路線では必然的に列車の本数が少なくなります。省エネルギー電車は、回生ブレーキで発生した電力を同じ路線を走るほかの列車が消費することができますが、そもそも列車が少ないと、この図式が成立しづらくなるのです。

 こうした理由で、筑肥線は省エネルギー電車ではなく、引き続き103系を導入することになったのです。とはいえ、筑肥線の103系ではデザインを一新して外観のイメージアップを図ったほか、当初から冷房装置を搭載しています。また、地下鉄乗り入れにも対応するなど従来の103系とは仕様が違うため、「1500番台」として従来の103系と区別されています。

【5色混合の山手線】たった3日間だけ走った103系

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