『ガンダム』世界でジオンなぜ軍備拡充バレなかった? 史実にみる民生品隠れ蓑の兵器開発

テロや海賊への対抗手段という論拠も

 改めて『機動戦士ガンダム』の世界観を見てみると、地球連邦に全国家が統合されているため、「外敵」はいないはずです。しかし、ジオン共和国すら成立していない宇宙世紀0043年に「43式戦車」が制式採用されたという設定があります。なお『機動戦士ガンダムUC』のなかにも、宇宙世紀初頭に宇宙警備艇として「サラミス級」が登場するシーンがあります。

 これは「機動戦士ガンダム」に登場する宇宙巡洋艦ではなく、レーザー砲やレールガンを搭載した警備艇ですが、宇宙にもある程度の軍事力が必要だったということを裏付ける描写といえるでしょう。

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ドイツ軍が軽トラクターという体で秘密裏に開発していたI号戦車(画像:パブリックドメイン)。

 考えてみれば、地球圏は非常に広い空間ですし、多数建設されているスペースコロニーには工業プラントもあるため、テロ組織が軍事力を地球連邦政府の目を逃れて整備している可能性もあります。地球や月、各サイド間は宇宙船で物資のやりとりをしているわけですが、民間船舶への海賊行為もあり得るでしょう。なお、一般人へのテロというのはシリーズの1作品である『閃光のハサウェイ』で民間機に対するものが描かれています。

 特に、核融合炉の動力源であるヘリウム3は、木星まで長距離航行して取得されます。その長い航路のすべてで連邦軍の軍事力が機能するとは思えません。

 都合よく考えれば、「海賊から自衛するため」などの名目で民間船もある程度の武装が許容された可能性もあるでしょうし、軍艦として設計した宇宙船を「客船」として発表することもあり得ます。

 旧日本海軍は優秀な民間船舶に助成金を出し、太平洋戦争ではそれらの一部を空母へ改装しました。同じようなことが「ガンダム世界」でも行われていた可能性が高いです。

 また「ジオンが軍事力を隠密に開発する」ことは、難しくありません。ジオンは敗戦時に主力艦隊の一部を「宇宙要塞アクシズ」に逃がしています。

 火星と木星の間にある小惑星帯のなかの小惑星を、ジオンが宇宙世紀0072年に資源採掘用として占領し、そこを軍事基地化したのが「アクシズ」です。これは、小惑星帯まで連邦の力が及んでいないことを現していますし、そうした秘密基地が複数あるならば、秘密裏にモビルスーツや宇宙艦艇などを開発・生産するのは難しくないでしょう。

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1件のコメント

  1. ガンダムに関してはすべて後付け設定。