そっくり! 国鉄「113系&115系」 分かりづらくなった見た目 そもそも何が違う?

113系と115系の構造的な違いとは?

 113系と115系、外観以外の違いは何でしょうか。形式が異なるため、当然ながら構造的・機能的な違いがあります。

 113系が平坦な路線で使用する前提で造られた一方、115系は勾配の続く山岳路線を想定しました。このほか115系は当初、寒冷地での使用にも備えられ、耐寒・耐雪仕様にもなっています。

 そして決定的な違いはブレーキで、両者とも発電ブレーキを併用した空気ブレーキを採用していますが、115系はさらに抑速ブレーキを追加しています。この機能により下り坂を一定の速度で走行でき、空気ブレーキ故障を防止するほか、運転士の負担軽減にも寄与します。

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中央東線で使用されていた横須賀色の115系。113系とは前面の塗り分けに違いがある(2011年1月、柴田東吾撮影)。

 抑速ブレーキは運転台のマスコン(左手側のハンドル)にて設定する仕組みで、113系と115系ではマスコンにも違いが見られます。ただ両者とも増備過程で仕様変更があり、寒冷地用の113系や暖地用の115系も造られたので、やはり決定的な違いはブレーキ関係といえるでしょう。

ゆえに走行路線が異なっていた

 そもそも仕様が異なるということで、かつては路線によって113系と115系の使い分けが行われていました。

 JR東日本では、湘南色の車両は113系が東海道線で、115系が東北本線や高崎線などで使用されていました。また横須賀色は、113系が横須賀線や総武快速線、総武本線(千葉以東)、外房線、内房線といった千葉地区で、115系が中央東線などで使用されていました。

 JR西日本では湘南色の車両ばかりが引き継がれ、先述の通り京阪神地区と福知山地区で113系が、岡山・広島・下関地区で115系がそれぞれ使用されていました。しかし老朽車両の置き換えや冷房化、半自動ドアスイッチの統一など増備や転用の過程で、同じ地域に113系と115系が混在する結果となって現在に至るのです。

【了】

【見分けられたらスゴイ!?】113系の塗装を施した115系

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Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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コメント

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1件のコメント

  1. 暖地用115系とはどの車のことを指すのでしょう。山陽線2000や身延線2600はベースとなる0番台の耐寒耐雪構造ありと聞いていますが、どうでしょうか。
    (同時期に作られた1000番台が耐寒耐雪強化型であるのに対して従来同等ということです)