なぜ?「空自次期戦闘機に似すぎ」な戦闘機案、仏でほぼ同時に出現! ソックリ機なのも仕方ない?
2機が似た「V字尾翼」採用の理由…なぜ?
航空機は安定性が確保できれば、米空軍のB-2や12月に公開された米空軍の新型機B-21「レイダー」のように、垂直尾翼が無くても飛行に支障がありません。無くすまでいかなくても、2対の尾翼を1対にまとめれば空気抵抗は減り、“突起”をなくすことでステルス効果もより期待できます。
ステルス機能が取り入れられる前でもV字翼を持つ機種として、仏のフーガーCM.170「マジステール」という練習機や、V字尾翼で試験が行われた米空軍のXF-91などがありました。
ただ、航空自衛隊の次期戦闘機と仏NGFのふたつのイメージ図に、V字尾翼が描かれたのは、以下の「性能以外の目的」というのも推測できるかもしれません。
「性能以外の目的」とは国民への情報発信、すなわち「広報」です。
世界初の本格的なステルス戦闘機は米空軍のF-22ですが、それと採用を争ったノースロップ・グラマンのYF-23は、F-22より未来的な姿をしていました。ステルス性は良好だったとも伝わる、この未来的なYF-23を強く印象付けたのが、菱形をした主翼と共にV字尾翼でした。
これから開発をスタートし、近い未来に活躍する戦闘機をアピールするには、その印象を強くしなければなりませんし、開発費に税金を充てる以上、国民への「訴求力」も必要です。このため、次期戦闘機も仏NGFも「未来的でカッコいい」という印象を与えやすい、似たイメージ図になったとも思われます。
実際は、次期戦闘機と仏NGFはどのような姿で現れるのでしょうか。これらはあくまでイメージ図。 “似たもの同士”だった2つの計画が、今後どのような差が出るかは、徐々にベールを脱いでいくことになるでしょう。それだけに2つの新戦闘機の開発の今後の展開は一層注目を集めることになりそうです。
【了】
Writer: 清水次郎(航空ライター)
飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。
コメント