「燕を追い抜く新京阪」P-6形の伝説 戦前で最高120km/h ダントツ高性能電車誕生のワケ

1927年に登場した新京阪鉄道P-6形は、都市間高速電車の草分けというべき高性能電車でした。当時の国鉄で超特急と呼ばれた「燕」を上回る高速運転を行い、接客設備も国鉄2等車以上というもの。なぜこのような電車が生まれたのでしょうか。

「燕」だって十分速かったのだ

 ちなみに同時期の鉄道省最速の列車は、特急「富士」「櫻」の表定速度51.6km/hでした。1930(昭和5)年に登場した超特急「燕」では、蒸気機関車への給水時間を省くために水槽車まで連結しましたが、それでも表定速度68.2km/hでしたから、P-6形の超特急はとてつもなく速かったのです。

 現在も阪急京都線とJR東海道本線は、京都府の大山崎付近で並走します。当時の新京阪電鉄は「燕を追い抜く新京阪」として、超高速運転をアピールしました。当時のダイヤを見ると、超特急「燕」と競争したのは「超特急」ではなくP-6形の急行だったようですが、「燕」を追い抜いたことがあるのは間違いないようです。

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写真はイメージ。当時の超特急「燕」も、蒸気機関車が客車を牽引するスタイルだった。写真は京都鉄道博物館内を走った「特別なスチーム号」。左から8620形8630号機+マイテ49形客車+12系客車(2022年10月、安藤昌季撮影)。

 なお「燕」は大阪~京都間を36分(表定速度71.3km/h)、のちに34分で走っていましたので、最高速度こそ95km/hでしたが、現代の目から見ても決して遅い列車ではありませんでした。

 また当時の関西では、1930年に個室やトイレなどの豪華設備を備えた参宮急行電鉄(現・近畿日本鉄道)デ2200系や、P-6形登場から5年後の1933(昭和8)年に、戦前の最高記録である表定速度81.2km/hを記録した阪和電鉄モヨ100系、1936(昭和11)年に日本で初めて冷房装置を搭載した南海鉄道(現・南海電気鉄道)2001形など名車が続々登場し、関西が「私鉄電車王国」と呼ばれる礎となりました。

 P-6形には車内設備も特筆すべきものがありました。ソファのようなロングシートと、ゆったりとした転換式クロスシートが設置されており、当時の鉄道省2等車(現在のJRグリーン車)以上の快適設備でした。防寒防音への配慮で、側窓も二重窓を採用していました。

【写真】高性能電車P-6形の車内を見る

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コメント

2件のコメント

  1. 「「燕を追い抜く新京阪」P-6形の伝説 戦前で最高120km/h ダントツ高性能電車誕生のワケ」の記事を拝見しました。その中に、「現在の阪急特急でも大阪梅田~京都河原町間45.3kmは43分(表定速度63.2km/h)かかり、最高速度115km/hです」との記述がございます。

    45.3kmは十三~京都河原町間の営業距離で、これに大阪梅田~十三の2.4kmを加えた47.7kmが大阪梅田~京都河原町間の営業距離になります。また、京都線の特急最速は平日下りで42分(秒単位までは確認できておりません)となりますので、42分00秒であれば標定速度は最速で68.1km/hになると考えます。

    ご確認いただけますと幸いです。

    • このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。

      確認のうえ修正いたしました。

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