ギュイーン!! 戦闘機が急上昇する“意味”知ってる? F-15&Su-30 上がり方にもお国柄が出る!?

航空祭や映画などで目にする戦闘機の離陸直後の急上昇。「ハイレート・クライム」や「ハイアングル・テイクオフ」と呼ばれる飛び方にも、実は戦術的な意味が含まれているとアメリカ軍のパイロットが語ってくれました。

米軍とは異なるインド軍の急上昇離陸の理由

 また、高度を取ることは攻撃への対処時間を稼ぐだけでなく、エンジン停止などの異常事態が発生した場合、その対策をする時間も確保できることにつながるため、飛行時の安全上の観点からも有効な手段といえます。

 そこで、共同訓練に参加しているインド空軍のSu-30MKIのハイアングル・テイクオフについても聞いてみると、あちらの場合は別の理由があると答えてくれました。

Large 20230304 01
ハイアングル・テイクオフを行うインド空軍のSu-30MKI「フランカー」(布留川 司撮影)。

「インド空軍の場合、基地によっては周りに山が多い場所もあるため、それを避けるためにあのような高度を取るかたちでの離陸になると思いますよ」

 残念ながらインド空軍のパイロットに直接話を聞く機会がなかったため、その真相はわかりませんでした。しかし、演習中にSu-30MKIがハイアングル・テイクオフを行ったときは、その離陸上昇の角度は非常に高かったのを覚えています。滑走路の端で離陸する戦闘機を撮影していたときも、通常の離陸と同じ感覚で斜め前にカメラを構えていると、インド空軍機だけが頭を悠々とあげて離陸していき、結果シャッターチャンスを逃したことがありました。

 とはいえ、取材を通してわかったのは、ハイレート・クライムにしても、ハイアングル・テイクオフにして、その離陸方法を必ず行うというワケではないということです。複数機が編隊で離陸する場合、その中の1機だけが行うということもあり、空港周辺の航空管制や空域の状態で、これらを実施する判断が変わってくるのかもしれません。

 いずれにしても、一般人から見ると派手で楽しめる離陸シーンであっても、なぜそのような方法を採るのかという点については、戦闘機としての軍事的・安全的な視点から考えられた明確な理由がある模様です。

【了】

【写真】多国間訓練「ピッチ・ブラック2022」で飛ぶ航空自衛隊のF-2戦闘機ほか

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  4. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  1. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス
  5. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”