ギュイーン!! 戦闘機が急上昇する“意味”知ってる? F-15&Su-30 上がり方にもお国柄が出る!?

米軍とは異なるインド軍の急上昇離陸の理由

 また、高度を取ることは攻撃への対処時間を稼ぐだけでなく、エンジン停止などの異常事態が発生した場合、その対策をする時間も確保できることにつながるため、飛行時の安全上の観点からも有効な手段といえます。

 そこで、共同訓練に参加しているインド空軍のSu-30MKIのハイアングル・テイクオフについても聞いてみると、あちらの場合は別の理由があると答えてくれました。

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ハイアングル・テイクオフを行うインド空軍のSu-30MKI「フランカー」(布留川 司撮影)。

「インド空軍の場合、基地によっては周りに山が多い場所もあるため、それを避けるためにあのような高度を取るかたちでの離陸になると思いますよ」

 残念ながらインド空軍のパイロットに直接話を聞く機会がなかったため、その真相はわかりませんでした。しかし、演習中にSu-30MKIがハイアングル・テイクオフを行ったときは、その離陸上昇の角度は非常に高かったのを覚えています。滑走路の端で離陸する戦闘機を撮影していたときも、通常の離陸と同じ感覚で斜め前にカメラを構えていると、インド空軍機だけが頭を悠々とあげて離陸していき、結果シャッターチャンスを逃したことがありました。

 とはいえ、取材を通してわかったのは、ハイレート・クライムにしても、ハイアングル・テイクオフにして、その離陸方法を必ず行うというワケではないということです。複数機が編隊で離陸する場合、その中の1機だけが行うということもあり、空港周辺の航空管制や空域の状態で、これらを実施する判断が変わってくるのかもしれません。

 いずれにしても、一般人から見ると派手で楽しめる離陸シーンであっても、なぜそのような方法を採るのかという点については、戦闘機としての軍事的・安全的な視点から考えられた明確な理由がある模様です。

【了】

【写真】多国間訓練「ピッチ・ブラック2022」で飛ぶ航空自衛隊のF-2戦闘機ほか

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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