ただの“かかし”なワケがない 戦闘機等を模した巨大バルーン ウクライナ戦で需要急増の理由

オーストラリアの航空ショー「アバロン2023」で見つけたSu-30「フランカー」もどき。実は空気で膨らます風船タイプの囮(デコイ)でした。筆者も遠目から見て実機と見間違えたほどですが、これが今、売れているのだそうです。

自衛隊の独自装備も2週間程度で製作可!

 なお、このデコイの一番の特徴はバルーンという単純な構造のために、オーダーメイドでさまざまな国の兵器のモデルを作りだすことができるという点です。説明では「今回展示したのはSu-30のデコイですが、F-35、F/A-18といったアメリカ戦闘機についてもとうぜん作れます。じつはこのK9も依頼からたった2週間で作り上げたものです」だそう。要望があれば日本の自衛隊の装備品についても製造できると言っていました。

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F-16「ファイティングファルコン」戦闘機(右奥)とデコイ版Su-30MKI「フランカー」。遠くから見た場合、その偽装を一瞬で見分けるのは難しいだろう(布留川 司撮影)。

 一見すると、これらデコイは、外見上は遊具に思えるかもしれません。しかし、実際にこれを飛行場に置けば自軍の兵力を敵側に誤解させたり、攻撃時に相手の攻撃を引きつけ無駄な弾薬を消費させて自軍の航空機を守ったりするのに使えます。

 デコイの具体的な価格については、スピアポイント・ソリューション&テクノロジー社では明言を避けていましたが、敵が用いる誘導兵器より安くなるのは確かでしょう。仮にこのデコイが破壊されても、損失は攻撃失敗による相手側の方が大きくなると予想されることから、その効果は計り知れないものがあります。

 実際、この「インフレテック」社のデコイはすでにウクライナの戦場で実際に使われており、その費用対効果の高さから他国でも採用が増えているとのこと。ひょっとしたら近い将来、偽装網(通称バラクーダ)などと同じように在日米軍や自衛隊でも使われているかもしれません。

【了】

【自衛隊の99式自走砲にも見える?】K9自走砲のデコイ&空気送入用の電動ポンプ

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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コメント

1件のコメント

  1. 対地ミサイルが一発数千万円程度と考えると例えデコイのバルーンが数百万円でも戦闘機よりも安いし有効な欺瞞兵器となるんだろうな。

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