ミニ空母でも戦える! 疑念晴らした革新的戦闘機「シーハリアー」23機撃墜の金字塔

今から40年ほど前の1982年3月に起きたフォークランド紛争で、初めて実戦参加したイギリス軍の「ハリアー」ならびに「シーハリアー」戦闘機。このとき両機種は、勝利への多大な貢献をしたことで、世界の空母事情を変えるまでに至りました。

守旧派の疑念を霧消させた「シーハリアー」の実戦参加

 1960(昭和35)年11月19日、このダンズフォールド飛行場にて、航空機発達史の1ページを飾る画期的な1機の試作機が初飛行しました。

 その名はホーカー・シドレー 「P.1127」(機体コード番号XP831)。これが、後に「世界で最初の実用VTOL機」となった「ハリアー」シリーズの原型です。それまでのVTOL機は、「垂直離着陸のギミック」を盛り込まねばならないせいで、今ひとつ実用性に欠けていました。

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フォークランド紛争後の1982年7月、艦隊を組んで航行中のイギリス空母「ハーミーズ」(手前)と「インヴィンシブル」。ともにスキージャンプ式発艦甲板を備えている(画像:イギリス海軍)。

 しかし本機の登場で、その「壁」が打破されたのです。作戦遂行可能な滞空時間および航続距離が確保されたことで、“実践投入可能なVTOL機”として認められたP.1127は、小改良のうえ、「ハリアー」としてイギリス空軍に採用されます。すると、ほどなくしてイギリス海軍も長大な飛行甲板や射出用のカタパルトなどを必要としない同機を、空母艦載機(艦上機)として使えないか模索するようになりました。

 結果、生まれたのが「シーハリアー」です。空軍仕様の「ハリアー」は主に昼間攻撃機としての運用が想定されていたため、機首にレーダーなどは搭載しておらず、アビオニクスも一般的な戦闘機などと比べて簡素なものを搭載していました。しかし、それでは洋上で敵航空機の迎撃に当たるのが難しかったことから、機首にレーダーを追加し、それと連動する火器管制システムを搭載するなどの改良が加えられました。

 ただ、なぜイギリスは、そこまでしてVTOL戦闘機の「シ―ハリアー」を導入しようとしたのでしょうか。カタパルト射出可能なアメリカなどと同じ艦上戦闘機ではどうして駄目なのか。そこには、当時のイギリス海軍が抱える大問題が横たわっていたのです。

【洋上迷彩が特徴】イギリス海軍の「シーハリアー」戦闘機を前から後ろから(写真で見る)

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