“察警県玉埼”が古豪の証 「ランクル70」パトカー現役ピカピカ コイツじゃなきゃ!なワケ

車歴23年、でも走行距離は驚くほど少ない

 車内を見せてもらうと、まさにひと昔前のクルマといった趣き。トランスミッションは副変速機付きの5速マニュアルで、パワーウインドウはもちろん、エアバッグも装備されていません。ドリンクホルダーも見当たらず、そのためにダッシュボード上に後付けのドリンクホルダーを設置していたほどです。

 しかし、隊員の話によると走破性は高く、ディーゼルエンジン搭載のためパワフルで救助車両としての信頼性はバツグンとのことでした。

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埼玉県警主催の第13回「けいさつ車両展」で展示された「ランドクルーザー」山岳救助車(乗りものニュース編集部撮影)。

 走行距離は23年使い続けている車両としては驚異的に少なく、「けいさつ車両展」開催の時点で5万691km。車内は前述のとおりデザインや構造こそ古めかしいものの、きれいに保たれており、山岳救助隊員らが大事に乗っていることがわかりました。

 外観を改めて見まわしてみると、運転席側、すなわち車体右側の所属表記は、これまた昨今めっきり見かけることが少なくなった「逆向き文字」です。右から左に読ませる形のため「察警県玉埼」「隊助救岳山」となっていましたが、これも古豪の趣きを感じさせます。

 先月(4月)18日には、県警山岳救助隊の担当エリアにある秩父・両神山で山開きが行われており、登山シーズンを迎えるようになりました。埼玉県内でもすでに2023年4月末時点で、山岳遭難が20件ほど起きており、死者も出ています。

 このベテラン、70系ランドクルーザー山岳救助車はまだ退役のうわさは出ていないそう。とはいえ、同車が大過なく退役を迎えることを心から祈る次第です。

【了】

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