土休日に1本のみ! 西武新宿線「快速急行」 特急並みで川越路のライバルに打ち勝つ!?

線形良くなり再び最高速度

 所沢駅では確認できただけで100人は乗車し、30人ほどが下車しました。高田馬場駅を出たときよりも乗車率が高くなっているのは興味深いです。とはいえ所沢~本川越間は特急で15分、快速急行でも急行でも20分なので、快速急行だからではなく、来た電車に乗ったということなのでしょう。

 列車は出発すると、最後の通過駅である航空公園を80~90km/hで通過。9時34分、新所沢駅(埼玉県所沢市)に到着します。

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西武6000系はロングシート(2023年5月、安藤昌季撮影)。

 ここからは各駅停車になります。新所沢駅では40人ほどが下車していきましたが、座席はほぼ埋まったまま。次の入曽駅(埼玉県狭山市)までは駅間距離が3.9kmと長く線形も良いため、実質各停になったとはいえ最高速度は105km/hに達しました。

 実際、所沢~本川越間18.6kmを20分で走るということは、表定速度にすると55.8km/h。連続通過していた高田馬場~田無間が15.6kmで15分なので、表定速度62.4km/hとそれほど変わりません。かなりの“快足ぶり”を実感します。

 9時37分着の入曽駅では、それほど人の入れ替わりはありませんでしたが、9時41分着の狭山市駅(埼玉県狭山市)では10人ほどが下車しました。特急停車駅ですが、思ったほどの人数ではありませんでした。急ぐ人は特急を使うのでしょうか。終点手前にして立ち客が出始めます。

 9時43分着の新狭山駅(同)では10人ほど乗車し、ほぼ同数が下車したので、乗車率には変化なさそうです。9時46分着の南大塚駅(同・川越市)でも入れ替わりは少なく、立ち客を出したまま終点へ向かいます。

 9時50分、本川越駅に到着しました。列車からは300人以上が下車したように見えましたが、通しの乗客はそこまで多くない印象でした。

 快速急行で全線を乗り通した所感としては、新宿線にはデュアルシートの40000系電車が配属されているのですから、ライバルである東武東上線の「川越特急」のように、料金不要ながらクロスシート車の限定運用として本数も増やせば、長距離客には便利で通し利用が増えるのでは、というものでした。

 ちなみに、蔵造りの町並みなどに最も近いのは、ここ西武鉄道の本川越駅です。

【了】

※一部修正しました(6月10日16時10分)。

【え、こんなに…】もはや特急並みに飛ばす「快速急行」(路線図)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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