日野×三菱ふそう統合 日本のバスはどうなってしまうのか 細る需要 台頭する中国メーカー
バス生産・販売もさらなる合理化? そうでもないかも
そしてここ10数年の間にバス市場は急激に細り、2012年にUDトラックス(バス製造時は日産ディーゼル)がバス製造から撤退したのちは、1999年に協業を合意し2003年にボディ製造をジェイ・バスに統合した日野・いすゞと、2003年に三菱自動車から大型車部門を分社した三菱ふそうトラック・バスの2グループに集約されています。
さらにそれぞれが車種を整理していった結果、すでに中型・小型観光モデルはなくなり、中型路線バスと中型送迎タイプは日野・いすゞ、小型路線バスは日野、大型ワンステップ路線バスと前扉送迎タイプは三菱ふそうの一択となっています。
こうした状況下での日野と三菱ふそうの経営統合で、バスはどうなるのでしょうか。実はこれまでの報道で、バスについて触れた記事等はほとんどありません。
気になるのは今回の経営統合から外れているいすゞが、日野との協業をどう考えていくのかというところですが、いすゞにはトヨタの資本が5%入っており、今回のことでも、トヨタはいすゞとは今後も協業していくとしています。むしろ今回、日野はトヨタの資本が直接入らず連結子会社ではなくなることからも、関係性が変わるところであり、市場規模の小さいバスにおいて改めて別の道を歩む必然性はないように思われます。
そう考えると、バスに関してはあまり変わらないのではないかという観測も成り立ちます。
つまりこれまで通りジェイ・バスが製造する日野・いすゞのバスと、三菱ふそうバス製造が製造するふそうのバスが、それぞれの販売チャンネルで販売されるという形です。すでに競合が発生するのは大型ノンステップ路線バスと大型観光(高速)バスモデルだけなので、この分野は台数も多いから競合するのであって、経営統合の形の中でも、上手にしのぎを削りつつ両立できるのではないでしょうか。
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