え、みんな一般人!? 世界最大の航空民兵「CAP」 アメリカ空軍顔負けのお仕事とは

日本にも海岸や山岳パトロールで飛ぶ民間組織あり

 不安定な国際情勢に直面しつつある日本においても、CAPモデルは参考になると筆者(細谷泰正:航空評論家/元AOPA JAPAN理事)は考えています。CAPが実証しているように沿岸警備や違法操業の監視、生存者の捜索や災害情報の収集活動などは小型機が適しています。

 日本もこうした任務にあたるのを小型機へ置き換えることで、既存の官公庁機を他の任務に充当することが可能になります。現在、我が国では、このような任務には高性能なヘリコプターが用いられていますが、小型機であれば時間当たりの運用コストを10分の1以下に抑えることが可能になります。

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式典で、儀仗を実施したCAPのジュニア・メンバー。階級章など細かい徽章類のデザインの違いを除けば、ほぼアメリカ空軍兵士と同じ制服である(画像:CAP)。

 また、近い将来発生が予測されている南海トラフ大地震では、太平洋沿岸の広範囲にわたり甚大な被害が想定されています。さらに最近では、南海トラフ大地震と富士山の噴火が同時に起きる可能性も指摘され始めました。

 大規模震災が発生した際には、消防や自衛隊を総動員しても救助や救援活動にあたる能力は深刻なキャパシティ不足に陥ることが予想されています。想像を絶する大規模災害時の救援・救助活動の効率化には、ハリケーン・アイダで実証された手法が役に立つでしょう。つまり有人小型航空機による情報収集活動を行い優先度に応じた救援活動を行う救援活動の効率化です。

 もちろん、日本はアメリカのように自家用機が数多く登録されているわけではないため、CAPほど大規模に組織化することは難しいかもしれません。しかし、日本赤十字社直轄の「赤十字飛行隊」という特殊奉仕団が、自家用機を保有する個人オーナーや航空関連企業などで編成され、活動してきた実績があります。

「赤十字飛行隊」は大規模災害時の出動だけでなく、血液輸送や臓器搬送、海岸・山岳パトロール、不法投棄物の監視などを普段から行っています。

 ほかにも駐車監視員や嘱託警察犬のように、警察制度の一部民間委託といったことは行われているほか、山岳遭難捜索の民間チームなども存在するため、日本でCAPのような組織を作るにあたっても、それほどハードルは高くないと筆者は考えます。

 海洋国家であることと同時に、世界有数の地震大国でもある日本。我が国で、災害活動支援と沿岸警備能力の効率化・強化などを考えた場合、CAPモデルの導入を真面目に検討してもよいのではないでしょうか。

【了】

【コスプレじゃないよ!】空軍そっくりの制服&迷彩服着て仕事するCAP所属員たち(写真)

Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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