【空から撮った鉄道】軍港の町「佐世保」で“屋根の上の列車”を狙う 海自艦と米軍艦の雄姿も
かつて日本海軍の鎮守府があった佐世保港には、海上自衛隊と在日米軍基地があり、目と鼻の先に佐世保駅があります。長崎空撮の後に、佐世保の町や松浦鉄道の一部を空撮しましたが、鉄道も艦船も収めたいと欲張ると構図に悩みました。
この記事の目次
・西九州新幹線ついでに軍港の町「佐世保」へ
・鉄道メインだけど艦船も収めたい 葛藤のすえ…
・空撮だから分かる「線路 on アーケード」
・列車がゆっくりすぎてやや難儀
【画像枚数】全12点
西九州新幹線ついでに軍港の町「佐世保」へ
『空から撮った鉄道』では西九州新幹線、島原鉄道と紹介してきました。これらの場所は2022年9月23日~24日にかけ一気に空撮したもので、新幹線開業を空撮するだけでなく、近隣の地域にも立ち寄りました。
9月24日、西九州新幹線の撮影を長崎で終え、長崎市内などを巡って五島灘を北上。海底炭鉱のあった池島付近から進路を右に取り、西彼杵半島を横断すると、前方には針尾瀬戸の入り組んだ地形、右手に大村湾、左前方に佐世保湾が望めました。
その先に見えてくる街は佐世保市内です。隣接した佐世保港には、海上自衛隊と在日米軍の艦船がずらりと並んでいました。ここは太平洋戦争の終結まで「佐世保鎮守府」と呼ばれ、旧日本海軍の要の軍港でした。
軍港には物資を輸送する鉄道があり、要衝の駅も隣接していました。関東であれば横須賀ですね。鎮守府は横須賀、舞鶴、呉、佐世保とあり、それぞれの場所は駅と鉄道が隣接していて、今回は佐世保を撮るチャンスが巡ってきました。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。