「自衛隊トップ」が2人になるの? 陸海空を統べる新設「統合指揮官」 統合幕僚長とドッチが偉い?
統合指揮官と同一ランク 警察でいうと?
他方で、これまでも有事や大規模災害などが起こった際には、陸上自衛隊の陸上総隊司令官や方面総監、海上自衛隊の護衛隊群司令、航空自衛隊の航空総隊司令官や航空支援集団司令官などをトップとする統合部隊(統合任務部隊)がその都度、編成され任務に就いてきました。
ただ、こういった臨時の統合部隊では、情勢の推移に応じたシームレスな対応が困難であり、なおかつ領域横断作戦を実施し得る統合運用態勢の確立が不十分だというデメリットもありました。
ほかにも、臨時であるため、アメリカ側の常設の統合司令部であるインド太平洋軍司令部と調整する機能(カウンターパート)が不足しているといった欠点も挙げられていました。
そこで、これら複数の課題を解決し、陸海空自衛隊の一元的な指揮が実施可能なセクションとしても、常設の統合司令部にはその役割が求められる模様です。
統合司令部のトップである統合指揮官(仮称)には自衛隊の運用などに関し、平素から部隊を一元的に指揮する役割が与えられます。これに伴い、統合・共同における作戦計画の策定及び作戦の遂行、そして大臣の命令を受けたら所要の指揮官に任務を付与し、必要な戦力を各指揮官へと配分して作戦全体の指揮を執ることが求められるそうです。
このたび公開された概算要求では、常設統合司令部(仮称)は防衛省本省ならびに統合幕僚監部や陸海空の各幕僚監部がある市ヶ谷地区に設置されるとのこと。なお規模は創設時については約240人で、常設の統合指揮官は陸海空幕僚長と同格の将官を配置するとしています。
陸海空の3幕僚長と同格ということは、諸外国の大将クラスと同じ星(桜星)4つの階級章を付ける「将」ポストとなりますが、同じ星4つの階級章を付ける統合幕僚長よりもひとつ格下の位置づけとなる模様です。
なお、統合幕僚長は、各省の事務次官や警察庁長官、最高裁判所事務総長などと同じ政令指定職(8号)になります。一方、陸海空の各幕僚長は政令指定職(7号)。おそらく統合指揮官もこのランクになるのでしょう。
ちなみに、ほかの省庁でいうと、警視総監(警視庁トップ)や総務省消防庁長官、海上保安庁長官などと同格になります。
【了】
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