「非常に感謝」国立科学博物館のクラファン“9億円”で史上最高額に でも「これ以上は難しい」ワケ

国立科学博物館が実施していたクラウドファンディングが9億円を超え成功を収めました。これを受け館長も感謝を述べましたが、同時にこれ以上はやりたくないとも明言しています。手放しで喜べないワケを聞いてきました。

上野の本館で展示するのは所有数のわずか1%未満

 ただ、このうち上野の本館に展示しているのは、実はわずか1%未満。戦後初の国産旅客機YS-11や南極観測船「宗谷」と共に南極へ行ったシコルスキーS-58ヘリコプター、零式艦上戦闘機(いわゆるゼロ戦)改造複座型のように、茨城県筑西市のザ・ヒロサワ・シティにある科博廣澤航空博物館で展示されている収蔵物もありますが、ほとんどが茨城県つくば市にある収蔵庫に保管されています。

 その中には国産最古の飛行機モ式六型や、東洋工業(現:マツダ)が発売したロータリーエンジン搭載乗用車「コスモスポーツ」といった貴重な工業製品も含まれています。いずれも一度壊れてしまったら2度と元に戻らないうえ、改めて収集することもできない希少性の高いものばかりです。

「博物館の一番の泣き所として、ものを捨てられない組織という点がある。集めたものを100年200年とっておくことで価値が生まれてくるため、そこは変えられないと認識している。ですから、どんどんものが増えていく」(篠田館長)

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2023年11月7日に行われた国立科学博物館のクラウドファンディングに関する記者会見(深水千翔撮影)。

 実際、収蔵される標本・資料は年間1万点ずつ増えていっているといいます。一方で国からの補助金である運営費交付金は年々減らされており、独立行政法人として入館料や外部資金といった別の収入源を増やす必要がありました。しかし、そこに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が直撃したのです。

 感染症対策として休館が続き、2019年度決算では約7.5億円だった入館料収入は、翌2020年度は約1.5億円まで減少。2022年度決算では6.5億円まで持ち直したものの、同年2月にロシアがウクライナへ侵攻したことでエネルギー価格が高騰します。その影響で、経常費用のうち業務費と管理費を合算した水道光熱費は2019年度決算では1.8億円でしたが、2022年度決算では3.1億円まで上昇しました。

 膨大な数の標本・資料を万全のコンディションで保つには、適切な収蔵保管環境を整える必要があるものの、空調設備や標本整理など維持・管理には多額の資金が必要になります。

【再び見られる日は?】「ヒロサワシティ」に移った“YS-11” 今こんな感じです!(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 国立科学博物館は国内唯一無二のものなのだから収蔵し大切に保管しておくことだけすればよろしい。政府はお金がないなら捨ててしまえとでも本気で思っているのか。いつからこんな国になってしまったのか。

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