ぜんぜん来ない「ロシアのF-35」 Su-57ステルス戦闘機の納入が伸び悩む理由

経済制裁のダメージはかなり大きいか?

 ほかに第5世代戦闘機を生産する能力がある国としては、アメリカと中国があります。アメリカに関しては、既に大量生産が可能な状態となっています。

 アメリカ製の第5世代戦闘機であるF-35「ライトニング II」は、2023年に100~120機程度が納入されたとみられています。これは新ソフトウェア「TR-3(テクニカルリフレッシュ3)」のトラブルにより、147~153機納入予定だったものを下方修正した数字になっています。

 中国については正確な情報は入っていないものの、2023年のJ-20の生産数は100機前後になるという専門家の見解もあります。

 J-20の初飛行は2011年1月で、Su-57は2010年1月と、初飛行に関してはSu-57の方が約1年早く飛んでいます。にも関わらず、空軍への納入が10機程度に留まっている背景には、2022年2月のウクライナ侵攻による経済制裁より前、2014年のクリミア半島併合によるアメリカやEU諸国による制裁の影響が強いとみられています。ロシアの防衛産業は、西側から輸入される精密部品や半導体などに大きく依存しており、それは2022年2月の侵攻時でも大きく変わってはいません。

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中国人民解放空軍のJ-20(画像:中国航空工業集団)。

 ロシア国防省は、2024年は同機の生産数を倍以上とし、年末までに配備数を50機とする予定であるとしています。さらに、2025年から近代化バージョンの量産も開始し、さらに生産数も増えると発表しています。しかし、軽戦闘機型の第5世代機であるSu-75「チェックメイト」の製造も当初は2023年に初飛行だった計画が、遅れに遅れており、ようやく2023年11月13日、試作初号機を2025年に向けて製造する計画であることを表明したほど。そのため、Su-57の計画に関しても大幅に変わる可能性は残っています。

【了】

【ようやく製造スタート!?】ロシアの最新鋭機となるはずのSu-75「チェックメイト」(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

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2件のコメント

  1. ロシアのF-22ではないでしょうか。F-35ですとSu-75になってしまいます。

    • やっと送信できた。reCAPTCHAの不具合か何かで認証できずにコメント送信できなかったのです(´・ω・`)