空自「F-35」乗りはコックピットで何してる? パイロット語る “高性能” ゆえの苦労 もはやF-15とは別次元!?

機体が高性能化してもパイロット頼みなワケ

 それについて入田2佐は、次のように語っていました。

「よく、F-35のような新型機の場合、操縦システムが自動化されてパイロットの負担が減るようにいわれることがあります。たしかに、F-35もフライトコントロールが優秀で、自動操縦装置(オートパイロット)も高性能です。しかし、システムが高性能になったことで、対応できるタスクや能力も飛躍的に向上しており、パイロットには操縦以外の能力が求められます。

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L3Harris Technologies社が製造・販売する戦闘機用の大型ディスプレイ「ラージエリアディスプレイ(LAD)」。F-35にも同等の機器が搭載されているといわれている(画像:L3Harris Technologies,)。

 以前、操縦していたF-15と比べると、F-35はパイロットがやるべき事柄や学ぶべき知識が本当に増えています。それは、この機体の性能がそれだけ高度化したことの裏返しともいえます。ですから、F-35のような新しい機体のパイロットに求められる技術は、純粋に操縦技量だけでなく、『戦闘システムをオペレートする能力』といったものまで合わせて必要になってくると思います」。

 F-35の戦闘機としての能力は、従来機と比べて非常に高性能になり、システム的に自動化された部分も多いようです。しかし、その機体を操縦し使いこなすのは、昔と変わらず人間であり、パイロットのスキルに大きく左右されるのは変わらないといえるでしょう。

【了】

【F-15とF-35の両方を知る男】実際に戦闘機を操縦する入田2佐とコックピット(写真)

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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