え、もう30年選手!?な私鉄の看板特急たち 新型に負けない? 揺るぎないブランドと安心感

鉄道車両の法定耐用年数は13年で、寿命自体は30~40年といわれています。つまり鉄道車両の「30年選手」は大ベテランですが、それでもなお、看板特急として走る車両は数多く存在します。主な私鉄の名車を紹介しましょう。

座席以外にもリニューアル箇所が

■1993(平成5)年/西武鉄道10000系電車「ニューレッドアロー」

 西武が5000系電車「レッドアロー」の置き換えや、新宿線の特急「小江戸」向けとして投入しました。側窓は縦900mm、横1740mmと巨大です。回転式リクライニングシートで、シートピッチも1070mmと広め。2003(平成15)年よりリニューアルが行われ、新型座席への交換やカーテンの横引き式への変更、空気清浄機設置などが行われています。

■1994(平成6)年/近畿日本鉄道23000系電車「伊勢志摩ライナー」

 スペインの高速電車「AVE」を参考としたデザインで、特に「サロンカー」は欧州風の1+2列の大型座席が向かい合わせで並び、個室感ある豪華設備です。

 リクライニングシート車としては1+2列の「デラックスカー」、2+2列の「レギュラーシート」もあり、様々なニーズに応えています。2013(平成25)年より内外装のリニューアルも行われ、座席へコンセントが追加されました。

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南海電気鉄道50000系電車「ラピート」(安藤昌季撮影)。

■1994(平成6)年/南海電気鉄道50000系電車「ラピート」

 鉄仮面のような前頭部に丸い側窓など、斬新なデザインの空港特急です。座席は回転式リクライニングシートで、2+2列の「レギュラーシート」と、1+2列の「スーパーシート」を備えます。

 2015(平成27)年より機器更新、2018(平成30)年より座席交換も行われていますが、コンセントの設置はないのでご注意を。

※ ※ ※

 以上、30年現役の私鉄特急でした。後継車両として走っている新型車両の多くも、その社の看板特急の歴史が踏まえられています。

【了】

30年選手とは思えない!? 新型に劣らぬ豪華な車内(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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