「廃止してくれないか」と市がJRに提案する路線に乗ってみた ガッツリ朝ラッシュ なのにナゼ?

JR西日本の兵庫駅から1駅だけ運行されている和田岬線は、通勤輸送に特化した路線です。休日は1日2往復しか走らないながら黒字ですが、存廃問題も持ち上がっているとか。どのような路線なのでしょうか。

沿線には川崎車両の工場も

 そして和田岬線ホームへ向かう途中に中間改札があります。和田岬線の利用者はここを通る必要があり、和田岬駅からの利用者はここで乗車券を買う必要があります(ICカードなら引き去られる)。東武鉄道大師線や名古屋鉄道築港線などで同様の改札方式がありますが、鶴見線の中間改札が廃止されたこともあり、JRでは非常に珍しい改札方式です。

 和田岬線ホームは1面1線で、長いホームには同線専用となる6両編成の207系電車が入線していました。沿線企業で働く工場勤務者が列をなしており、車内は満席。立客でいっぱいでした。首都圏ラッシュ時並みの乗車率です。

 発車すぐはJR神戸線と並走。特急「スーパーはくと」とすれ違いました。JR西日本の保線総合区も並んでおり、貨物コンテナや線路も見えます。

 ほどなく、車窓右側に川崎車両株式会社の兵庫工場が見えてきます。新幹線や在来線、大手私鉄から第3セクター鉄道まで、あらゆる鉄道車両を製造している工場で、海外への輸出車両も手がけています。この工場から、一部車両は和田岬線を通って、各地に移動しているわけです。

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JR和田岬線の沿線風景(安藤昌季撮影)。

 兵庫工場を過ぎると、中間駅がないのが惜しくなるような密度で、工場や住宅が立ち並びます。85km/hで走り抜ける列車にはスピード感があります。

 まもなく兵庫運河を渡りますが、この橋は「和田旋回橋」と呼ばれ、船舶通行のために可動できる構造の橋梁です。昭和初期より固定されていますが、非常に珍しい構造です。和田岬駅からは徒歩12分ほどで到達でき、「浜っ子きらきらビーチ」に隣接していますが、柵があって橋に近づくことはできません。少し離れたところから、列車の通過を見ることもできます。

【え、終点に何が?】これが「廃止を要望されている路線」の風景です(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 実は利用が伸び悩む市営地下鉄のライバルである和田岬線を潰したいという思惑もあるとかないとか…