「ドローンはレーザーで撃ちまくれ!」そう簡単じゃない!? “コスパ兵器”時代に日本メーカーが活きる道とは? 【後編】

海外への輸出拡大を目指す日本の防衛産業にとって、これまでとは異なる形で装備品を作り上げる仕組みの構築は喫緊の課題です。米国企業との提携により課題を乗り越えようとしている三菱電機の取り組みを取材しました。

将来の防空システム像とは

 日本の防衛産業は、自社製品を海外へ輸出することを目指してさまざまな取り組みを行っています。なかでも、海外企業との提携を強め、各種の実績を積み重ねているのが三菱電機です。同社の企業戦略について、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は同社防衛システム事業部の洗井昌彦事業部長を取材しました。

Large 20241007 01
陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾(画像:陸上自衛隊)。

 3回に分けてお伝えするインタビューの最終回は、将来の防空システム像と、日米同盟の中における防衛産業の「あり方」についてです。

 三菱電機は、これまで陸上自衛隊向けの防空システムやレーダーなどを開発・製造してきたことで有名です。そこで、三菱電機が思い描く、今後の陸上における防空システム像とはどのようなものでしょうか。洗井事業部長は現状も交えながらこう説明します。

「現在、陸上自衛隊は弾道ミサイル防衛と極超音速兵器(マッハ5以上)への対処能力を備えようとしており、これらは今後10年以内に装備化される予定です。しかし、その後は無人機のようなコストパフォーマンスに優れる兵器が脅威となる可能性があり、防空システムについてもそうした脅威への対処に論点が移っていくのではないかと考えています」

 そこで、迎撃側においてもコストパフォーマンスに優れる安価な装備が必要になりますが、そこで注目されているのが高出力レーザー兵器です。洗井事業部長は、高出力レーザー兵器において重要なのは、必ずしも「レーザーそのもの」に限らないと指摘します。

「どんなに小さな無人機であっても、最低5秒間はレーザーを照射しなければ効果がありません。そこで重要になるのは、目標の捕捉や追尾能力です。高出力レーザー自体は三菱重工さんなどが担当されるとして、我々はレーザー兵器を効果的に運用するために必要なセンサーや大気計測などの分野に取り組みたいと考えています」

 無人機に代表される将来的な脅威に対処することと同様に、ミサイルや航空機など多様な脅威に備えるために必要なネットワークシステムについても、その重要性が大きくなってきています。

 現代の戦闘では、陸は陸軍が、海は海軍が、というようにそれぞれの軍種が特定の担当領域のみで活動すれば良いというわけではありません。陸海空軍が持つ装備を一体的に運用し、それぞれが持つ強みを生かして戦闘を有利に進めていく、いわゆる「統合運用」が求められます。そして、その統合を高いレベルで実施するためには、お互いの装備品同士をネットワークで結びつけることが求められます。

【これがつながるのか…】日米の指揮統制システムはこんなヤツ(画像)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス