41年間おなじ顔!? 古い車両も最新車両も「間違い探しレベルの差」なぜなのか 遠鉄に聞く“こだわり”

ではどこが違うのか

 そのような30形を、1983年に登場した1000形が置き換えました。1000形は遠州鉄道設立40周年を記念し、新時代へのニューモデルとするために、前頭部形状は曲線を廃し、上下を後方に傾斜させたデザインとし、当時としては斬新でした。

 車体の塗装はスパニッシュレッドを基調とし、白い帯と斜めのストライプを入れました。これは富士山と東海地方をイメージしたものです。車両のストライプ塗装は1981(昭和56)年登場の国鉄185系電車で採用され、流行したデザインでした。

 2扉ロングシートだった30形に対し、1000形は3扉ロングシートとなり、空気ばね台車で乗り心地も改善。車両間は扉を廃し、とても開放的な内装でした。

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30形電車のうち、最後に製造された吊り掛け車両であるクハ85。いわゆる「湘南形」(安藤昌季撮影)。

 現在では時代に合わせて、側扉上部に2画面の液晶式車内案内モニターが追加され、車椅子スペースが設けられています。なお貫通路やモニター、車椅子スペースも含めて、2024年製の2000形2009号とほぼ同じ配置となっています。

 そして2000形も、残りの30形を置き換えました。1000形と比べ、省エネルギーやメンテナンスの軽減を進めた「人に地球に優しい21世紀の電車」としてデザインされた車両でした。

 制御装置がVVVFインバーターとなったり、起動加速度が向上したりと性能はアップしていますが、外観デザインや接客設備は1000形とほぼ同じでした。では逆に「間違い探し」レベルの差とは何でしょうか。

 2002号からは運転席がワンハンドルマスコンとなって、ドアチャイムが設置されています。2004号からは、ロングシート9席を3分割するスタンションポールを採用。2005号からは、乗降扉付近の床が黄色の塗装となり、軸梁式台車を採用して乗り心地を改善しています。2006号からは多言語化に対応した2画面液晶モニターが設置されました。

 ただ、液晶モニターは1000形を含み、2021年までに全車両へ搭載されているので、現在では違いはありません。

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