41年間おなじ顔!? 古い車両も最新車両も「間違い探しレベルの差」なぜなのか 遠鉄に聞く“こだわり”
どうしてデザインを踏襲するのか 遠鉄に聞いた
2021年製の2008号からは、遠州鉄道初となるLED行先表示幕を採用しました。そして最新2009号で、前照灯が初めてLEDとなりました。
筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2024年10月、1999年製の2001号と2024年製の2009号を乗り比べましたが、最新の2009号でも、下窓が固定され上窓だけ可動するユニット窓、やや硬さがあるバケットシート、30形以来となる車両中間の大型通路や、1000形以来の昭和感のあるデザインなど、逆に斬新な最新鋭車両と感じました。
ではなぜ、ここまで旧型車両のデザインにこだわるのか遠州鉄道に聞いてみると、次のように話しました。
「1000形導入より40年以上となりますが、現在でもそこまで古さを感じないデザインと考えています。また、今のデザインで、長い間地域の皆様に愛着を持っていただいていると感じています」
加えて、導入コストを抑えられる利点もあるのだそう。デザイン上のこだわりについては、次のように話します。
「30形から大きく変化した直線的なデザインです。30形から継承された車両中間の“きのこ型”貫通路もこだわりです」
1000形以降の41年間、「幸いにも新車導入が可能でしたので、他社からの車両譲受は考えませんでした」とのこと。朝・夕ラッシュ時に連結制御できることや、架線電圧が特殊な750Vであることも、他社車両を譲受する点での懸念点だといいます。
最後に、今後も同じデザインの車両を新造するのか聞くと、「営業施策として様々な検討をしており、現時点では決まっておりません」とのことでした。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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