神保町の書店がなぜ「鉄道ファンの聖地」になったのか ネット書店台頭前から行われていた差別化

東京・神保町に「鉄道ファンの聖地」と呼ばれる書店があります。なぜそう呼ばれるようになったのか、背景にはネットショップと実店舗との戦いでしばしばポイントに挙げられる「差別化」がありますが、同書店の場合、台頭するネット書店が差別化の理由ではありませんでした。また「聖地」には「聖地」の苦労もあるようです。

『タモリ倶楽部』にも登場した専門性の高い書店

「本の街」として知られる東京・神保町。大小様々な書店が存在していますが、特に鉄道バス自動車など、趣味性が高い乗りもの関係の本が充実する「書泉グランデ」という店舗があります。「ここへ行けば鉄道の本は大抵手に入る」として、「鉄道ファンの聖地」とも呼ばれるこの書店。個性的なネタを採りあげるテレビ朝日系『タモリ倶楽部』でも2014年、「この鉄道本がすごい in 書泉グランデ」という企画で登場しました。

 ただ書泉グランデの広瀬さんによると、同店はかつて専門性がありながらも、一般的な書店の色合いが強かったといいます。それがなぜ「聖地」と呼ばれるほどになったのでしょうか。また近年、書店数が大きく減少していることの理由としてネット書店の台頭がよく挙げられ、その対抗で実店舗を持つ書店ではサービスの質を高める、品揃えにこだわるなど「差別化」を進める動きがありますが、書泉グランデもその流れで「聖地」になったのでしょうか。

 しかし結論からいうと、ネット書店の台頭はあまり関係がないそうです。同店は「神保町の老舗」ともいわれますが、売り場面積のより大きな書店が登場するなか蔵書量で対抗するのは容易ではないため、すでにあった「専門性の高さ」という色をより強調し、差別化する方向性になったとのこと。そしてネット書店の台頭はこの後の話といいます。

 書店に限らずネットショップへの対抗として実店舗は「差別化」がひとつのキーワードになっていますが、それは「ガリバー」への対抗手段としてネット時代になる前から行われていたことで、その結果、「鉄道ファンの聖地」が神保町に誕生していました。

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