なぜ大和トンネルは渋滞名所であり続けるのか 解消を妨げている東名の「蓋」

首都圏では新路線の開通や対策で、深刻な渋滞ポイントが消滅しつつありますが、東名高速の大和トンネルについては今後も「渋滞の名所」であり続けそうです。はたしてどうしたら良いのでしょうか。実は、取るべき対策はハッキリしています。問題は「東名の蓋」です。また、大和トンネルの上にも行ってみました。

外から見た「東名の蓋」

 大和トンネルの上は、東名高速から眺めると、ジャングルのようになっています。この付近では、厚木基地の米軍機が何度か事故を起こしています。

 なかでも1964(昭和39)年9月8日に起きた事故は、現在の大和トンネルのすぐ北側200メートルほどの地点にF-8Cクルセーダーが墜落。鉄工所に突っ込んでアセチレンガスに引火爆発し、5名の死者を出す大惨事になりました。現場には今も慰霊碑が立っています。東名が開通したのは、この事故の4年後です。

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(1)ごみ捨て禁止の看板(2)慰霊碑(3)現在は空自機が多く直上を飛ぶ(4)トンネル上から見た東名高速(2015年4月、清水草一撮影)。

 慰霊碑から南へ進んで行くと、こんもりした堤防のようなものが見えてきます。延長280メートル、高さは3~4メートル。フェンスに囲まれており、内側は木が繁茂しています。これが大和トンネルで、東名高速に鉄筋コンクリート製の蓋をかぶせ、その上に土を盛った構造になっています。

 大和トンネル上には、3本の横断道(うち1本は歩道)が付いていますが、坂を上って横断してみると、管理者であるNEXCO中日本による、「不法投棄禁止」の看板が目立ちます。何にも使用されていないので、ゴミを捨てられやすいようです。

 この大和トンネルを撤去するか、あるいは必要とあらば幅を4メートルほど広げた上で再建するかしないと、付加車線の設置は困難です。

 厚木基地では、1977(昭和52)年の横浜市緑区へのRF4ファントム偵察機墜落以来、悲惨な墜落事故は起きていませんが、飛行場がある限り事故のリスクはあり、「蓋」は「もういらない」と断言することはできません。

 ただ、墜落のリスクは周辺一帯にあるので、東名だけをトンネルで守ってどれほど意味があるのかは微妙です。はたして国交省の検討会がどのような結論を出すか、見守りたいと思います。

【了】

Writer:

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

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コメント

18件のコメント

  1. 本題ではなく恐縮ですが、解説写真3は「空自機」ではなく「海自機」ではないでしょうか。

    厚木基地は米海軍と海上自衛隊の基地であり、写真は海自のP3-C対潜哨戒機と思います。

  2. 大和トンネルは 傾斜している事で渋滞が発生しているのでは 有りません。

    快晴の日に 起きる事が多い現象は、トンネルの光量不足に寄ります。

    東名高速での走行での前後に無い平坦地でのトンネルです。

    ライトの設定位置が 「オート点灯」で ブレーキを踏んだと勘違いによる。

    後続車のブレーキングが次々と連鎖的に起きるためです。

    対策は 短いトンネル(250m)ですから 照明を明るくして 

    自動「オート点灯」をさせない様にする。

  3. この記事でどこまで論じるおつもりだったかは存じませんが、

    尻つぼみな論理展開だったため同大学出身者として意見致します。

    以下は私が読み取った、記事の論理展開です。

    ①大和トンネル付近の渋滞が問題である(問題提起)

    ②幅員を増加すれば渋滞は解消すると思う。(解決案の提示)

    ③事実、効果はある(解決案の支持)

    ④しかし、大和トンネルの存在が幅員増加にとって課題である(解決案の実現に対する課題)

    ⑤そもそも、トンネルは飛行機の墜落による惨事から守るために作ったようだ(④の分析)

    ⑥事故は77年以降起きていない。しかし飛行機墜落のリスクはある。(④の分析)

    ⑦トンネルは不要とは断言できない。(④に対する結論)

    ⑧国土交通省の結論を見守る(ズコー)

    あなたは研究家として、どう考えているのですか?

    見解が見えません。

    そもそも、幅員増加が最も効果的であるという根拠は?

    その幅員増加やトンネル撤去にかかるコストと、渋滞解消によって得られるメリットは、

    何年後に釣り合いますか?大雑把にでも試算しましたか?

    それとも飛行場がある限りトンネル撤去は難しく、大和トンネル付近の渋滞に対しては

    幅員増加以外のアプローチが必要とお考えですか?

    辛辣に書いてしましたが、攻撃やバッシングをするつもりはありません。

    続報をお待ちしております。

  4. ①②間にトンネルバイパスを増設するのが良さそうに思うのですが難しいんでしょうか?

  5. h-endoに質問。

    では、なぜ関越の上り線、嵐山付近で、渋滞が発生するのですか。

    ここは、トンネルはなく、見通しのよい直線。ただし、緩やかな登りです。

    ここを走っていると、殆どの車が速度低下に気づいていません。

    クルーズコントロールをONにして走っているとよくわかります。

  6. 5年後の間違えです

  7. 事故の可能性は有るのだから二次災害を防ぐために蓋は必要でしょうね。

    一般道を蓋の上を通らせ一般道の部分まで高速道を広げれば良いのでは?

  8. >国交省の検討会がどのような結論を出すか、見守りたいと思います。

    なかなか皮肉だね

  9. 視覚で勾配が判るように、路肩ガードレール・トンネル壁に水平線のペイントする。

  10. 仕事でよく利用します。そしていつも大和トンネル(上り)の前で100Kmに減速します。

    誰もコメントにありませんが(言ってはいけないのかな?)トンネルの前にあるカメラが問題ではないでしょうか?カメラに近づくとブレーキを踏む車が何台か出る、とそれが自然渋滞の一番の原因になるように思います。

    • その通りだと思います。

      と言うのはNシステムと言うカメラが逆に速度を落として事故を起こす要因になると思います。

      その事故が大規模な渋滞を引き起こしている事も注目に値する。

      他にも厚木基地の米軍撤去も必要になる。

      米軍さえいなくなれば、厚木基地の大規模な縮小が可能になるし、自衛隊なら近くの公営住宅に済ませればそれで充分だからです。

    • 追い越し車線を塞ぐのろのろ運転が邪魔。

      追い越し車線の連続運転は追越車線を延々と通行した場合、通行帯違反の取締りを受ける場合がある

      渋滞の先頭を見るとそこに悠々と追い越車線を走る車を見ることが出来る。

  11. 外から見た写真では斜めの土手になっているので、そこにコンクリートの箱で拡張すればもう1車線は増やせそう。

  12. 私もそう思います。下の入り口には「トンネル出口にNシステムのカメラあり」と表示してはいかがでしょう。トンネル出口付近での事故の頻度は下の方が圧倒的に多い気がします。

  13. 追い越し車線を追い越しもしないで塞いで走る先頭車が居ます。

  14. 追い越し車線の先頭が追い越しもしないで車線を塞ぐからです。

  15. 大和トンネルに限らず追い越し車線を追い越しもせずに走行して車線を塞ぐ車があるからです。

    • 高速道路の実態を考えると、追い越し車線を法定速度や制限速度(東名なら100km/h)で走ることは、他の車両に対する嫌がらせ行為みたいなモノですね。

      さて、追越し車線を我が物顔で迷惑運転する方には、スピードメーターが正しい数字でなく、大きめの数字を示していることを理解せず走っているのではないでしょうか?

      君、邪魔だよと言われても、自分が100km/hだから追い越し車線を義務が無いと思い込んでいる。

      そもそも100km/h出てないから追いつかれるのだし、仮に100km/hで走っていても、追いつかれたら、邪魔しないように退かなければいけないんですけどね。

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