今や希少! JR「パノラマグリーン車」もう流行らない? 開発中の新型に採用なら30年ぶり
前面展望が考慮されていなかった国鉄時代の特急形車両。分割民営化に伴いサービスアップの観点から、先頭車両から運転台越しの前面展望を楽しめるパノラマグリーン車が登場しました。ただ近年は、あまり採用例の見ない設備です。
JR各社こぞって開発
1988(昭和63)年、発足したばかりのJR東海が381系特急形電車を改造し、運転台越しの前面展望が行える展望室を備えた「パノラマグリーン車」を、特急「しなの」用として登場させました。
381系のパノラマグリーン車改造は、翌年以降にJR西日本も特急「スーパーくろしお」「スーパーやくも」用として行っています。どちらも中間車両のグリーン車に展望窓付き運転席を後付けで接合したものですが、展望室と一般客席を区切って展望室の側窓を大きくしたJR東海に対し、JR西日本は客室部分はいじらずに、展望窓を備えた運転席を接合していました。
一方、JR九州は同じ1988年に、新造特急形電車である783系「ハイパーサルーン」の先頭車両を前面展望可能構造とします。783系では編成端に普通車とグリーン車が連結されていたので、グリーン車だけでなく、普通車でも前面展望が可能でした。
運転台のガラス上部にフィルムが貼られ、やや視界が悪いものの、2024年現在も最前列座席からはワイドな展望が楽しめます。側窓も非常に大きく、眺望性に優れた車両といえます。
同年に製造されたJR東海キハ85系気動車も前面展望が可能で、当初は普通車のみでしたが、1992(平成4)年の特急「南紀」用からパノラマグリーン車が登場しています。パノラマグリーン車は1994(平成6)年に登場した383系電車でも踏襲され、特急「しなの」で木曽路の美しい風景を楽しむことができます。
1990(平成2)年、JR東日本は特急「スーパービュー踊り子」用に251系電車を新造します。251系は編成端の普通車とグリーン車から運転台越しの前面展望が可能な構造でした。筆者(安藤昌季:乗りものライター)は何度か乗車しましたが、シアターのように座席の位置が高められた展望席を備えているのに、最前列以外はあまり前が見えない設計を不思議に感じました。
グリーン車に拘るとそうなのだが、
普通車だとスーパーはくと、スーパーいなば、スーパーまつかぜ、スーパーおきの各列車が前面展望を楽しめる。
つまり、山陰を走る列車達という事