ラッシュ時に山手線が止まった… 「信号が変わらない」は故障じゃない!? 事故を未然に防いだ仕組みとは

JR山手線が朝ラッシュ時間帯に止まるトラブルがありました。原因は赤信号が切り替わらなくなったため。ただ、さらに突き詰めると、レールにひびが入っていたことも判明しました。なぜレールにひびが入ると、赤信号のままになるのでしょうか。

レールにひび→赤信号となるメカニズム

 ショートすることで赤信号とする仕組みですが、これ以外にも何かしらの原因で電気を受け取る側に電気が流れなくなると、赤信号が表示されるようになっています。

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レールには電気が流れ、車両とのあいだで信号情報をやりとりしている(画像:PIXTA)

 今回はレールにひびが入ったことで、レールに電気が流れなくなり、結果として赤信号のままになったと推察できます。この場合、「列車がいないのに『列車がいる』と判定されているが(赤信号)、これはおかしいのでは」と、設備側に何かしらの不具合があると判断することができます。この判断をもとに設備の状態を確認したところ、レールにひびが入っていることがわかった、という顛末です。

 このように、設備が故障した場合も電気が流れなくなるので、赤信号となって列車の運行を止めることができます。こうした、有事の際に安全側に設備が壊れる仕組みを「フェイルセーフ」と呼びます。今回の事例では、ひびが入ったレールの上を列車が走行するような危険な状態を、赤信号が未然に防いでくれたといえるでしょう。

【写真】レールにひびが入った場所を見る

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