ド派手に変身!「空自ベテラン輸送機」異形の“カモノハシ”と埼玉で一般公開 さりげなく描かれた「LOVE」も発見

退役までの秒読みが始まっている国産の大型ジェット機C-1が、特別塗装をまとって入間基地で一般公開されました。隣には同じく退役が間近のEC-1の姿も。特別塗装機にはさりげなく空自隊員のメッセージも描き込まれていました。

不死鳥だけじゃない! 記念塗装に込められた意味とは?

 そもそも、この記念塗装機が用意された理由は何でしょうか。それは、C-1の退役が近づいているためです。

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会場に置かれた通常塗装のC-1輸送機。手前の機体は後部のカーゴドアを開けて機内も見られるように展示されていた(布留川 司撮影)。

 同機は国産初の大型ジェット機として開発され、全部で31機が生産されて航空自衛隊で半世紀以上、運用されてきました。しかし、長年の運用による老朽化のため、順次退役が進められています。現在運用されているのは、入間基地の数機と、岐阜基地で試験機として用いられている試作1号機のみです。今回の一般開放では会場に3機のC-1が留め置かれていましたが、おそらくはこれが現時点で入間基地に残るすべてのC-1だと思われます。

 航空機としての役目を終えつつあるC-1ですが、その50年以上にわたる運用の歴史は決して軽いものではなく、不死鳥であるフェニックスをモチーフにした記念塗装機が用意されたのは、その功績を後世に伝えたいという想いが込められているのでしょう。

 フェニックスの模様は機体の前半部分に塗装されていますが、記念塗装の図柄はこれ以外にもあります。左側の胴体側面には「C-1 FOREVER(永遠に!)」の文字と、入間基地の第2輸送航空隊の鷲のマークが入れられています。

 垂直尾翼には、風になびく桜吹雪が描かれています。その枚数は51枚で、C-1が51年間運用されたことを象徴しています。また、そのうちの1枚には、非常に小さな文字が書かれています。左側には「I love C-1」、右側には「Thank You C-1」と、それぞれ異なるメッセージが記されています。

 このように、記念塗装の随所に施された図柄には、それぞれ意味が込められています。これは、機体を準備した航空自衛隊の隊員たちの強い想いの表れともいえるでしょう。

 まもなく全機退役をむかえる予定のC-1輸送機。岐阜に残る銀色のC-1ともども、元気よく空を飛ぶ姿が見られるのは、あと僅かです。

【画像】よく見ないと発見ムリ!「特別塗装機」に隠されたハートマーク

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雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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